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高森明勅
2016.3.26 15:21

井上毅の男系主義

明治の皇室典範が男系主義を採用する際に決定的な役割を果たした
井上毅。

その「謹具意見」では、たとえ皇胤(皇室の血筋を引く者)であっても
皇籍を離れて国民の仲間入りをした以上は、
もはや臣下の血筋なので、
そのような者の血統が受け継がれると皇統は「姓ヲ易(か)フルコト」
(事実上の断絶)になると、拒絶していた。

井上の血統観を前提とする限り、旧宮家系“国民”
男子に新しく皇籍の
取得を認めるという選択肢は、
政治的理由の如何に関わりなく、
全く認められない。

逆に井上の血統観に囚われないなら、男系限定の根拠は
男尊女卑」以外なくなる。

さてー。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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