先日、中島みゆきの劇場版「夜会」を観ました。
「夜会」といえば、中島みゆきが
脚本、作詞作曲、歌、主演まで務める舞台で、
チケットは一般ピーポーには入手困難。
でも二年前の「夜会VOL.18ー橋の下のアルカディア」が
映画館で上映されるというので、いそいそとお出かけ。
幼い頃から両親が中島みゆきを聴いていたので、
いつの間にか身体の一部分に沁みついている感じです。
カラオケでも、もっぱらみゆき様です。
下手だけどいいの。
周囲がハイテンションで盛り上がっているときも、
「糸」とか「タクシードライバー」とかを歌っては
がっつり盛り下げています。
彼女の歌にある「オンナのドロドロ感」は、
私には皆無ですが、どこかで共感しているのかもしれない。
いえ、憧れているのではないかとすら自分で思います。
さて、その夜会。
ところどころストーリー展開が読めず、
最後に○○(ネタバレになるので伏せます)が
出てきたのにはタマげましたが、
歌は本当に素晴らしく、脳髄に響き渡りました。
その中に「いらない町」という歌があります。
ある日決まりが伝えられた。
その町はうずめてしまうことになった。
この町は捨てられたのだ。
早くほかへ移れ
・・・というニュアンスの歌です。
この舞台そのものは、タイトルのとおり
設定が「橋の下」であり、地下なのですが、
私はこの歌を聴いてふと原発事故で
失われた福島の町を思い出しました。
そして堀辺師範がおっしゃっていた「社稷」という言葉も。
あちこちの原発が、何もなかったかのように
再稼働しているけれど、そのニュースを見るたびに
腹が立って腹が立って仕方がない。
人智を超えたものがあることを知ろうとしない
傲慢な愚か者めーーー!
日本人はあの未曽有の原発事故も、
あっという間に忘れてしまえるのだろうか。
自分には関係ないと、再び無関心を決め込んでいるのだろうか。
汚染された町に住んでいた人々は、今もなお
日常に戻ることができていないというのに。
私たちは、その町に住んでいた彼らの過去ばかりでなく、
その町の未来さえも奪ってしまったというのに。
大好きなみゆき様を観てウカれておりましたが、
振り返ってみれば、来月で東日本大震災から5年です。