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高森明勅
2015.9.2 18:08

因果は巡る山口組分裂

日本最大の暴力団、山口組が分裂状態に陥ったとか。

多数の死傷者を出した山一抗争を思い出す。

同組は今年、創設百年を迎える。

皮肉な話だ。

だが、さもありなん、とも思う。

今の司忍組長の6代目就任は、
一種のクーデターと
囁かれていたからだ。

追い落とされた側には当然、遺恨が残ったはず。

また、その正統性への疑念もあったろう。

平成9年に山口組のナンバー2、宅見勝若頭が暗殺された時、
先代の渡辺芳則組長は、宅見氏との対立から、
それを敢えて黙認したと見られている。

これはヤクザの世界では、親の“子殺し”に当たる。

その証拠を掴んだ司組長らが先代に引退を迫り、
無血クーデターに成功したという。

その後、司組長の出身組織の弘道会が勢力を張り、
渡辺前組長の出身組織だった山健組が冷遇されていたらしい。

だから今回、山健組などが脱退したのは、ある意味で自然な流れ。

但し6代目体制発足時に、
組織ナンバー3の総本部長に
入江禎組長が就任していた宅見組も一
緒に脱退しているのは、
色々と想像させる。

まぁ、堅気には関係ない話だが。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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