立て続けに戦争関連のお芝居と映画を見ました。
お芝居は『南の島に雪が降る』です。
小林先生の『戦争論』でも紹介されていました。
加東大介さんの同名の著書が原作。
南方の戦場で演芸班を作り、北国の兵士たちのために
芝居の中で雪を降らせる…という物語です。
私の好きな宝塚OGの大和悠河さんも
出演されるので、「これは!」と思い
出かけました。
が、南方の戦場と宝塚の元男役トップスターは
あまりにもちぐはぐ・・・。
苛酷な戦場に思いを馳せているところに、
悠河ファンを喜ばせるためなのか
脈絡もなく大和悠河さんが華麗な衣装で登場、
ジャングルの中でそれはない。
個人的には、シリアスに見ていいのか、
悠河さんの美貌に嬌声をあげていいものか、
最後まで戸惑い続ける作品でした。
ただ、主役の柳屋花緑さんがとても味のある
演技をされていました。
夜は、公開されたばかりの
『日本のいちばん長い日』を観ました。
本木雅弘さん演じる天皇陛下は
とても存在感がありました。
東条英機役はそっくりでビックリ!
青年将校たちの熱演も良かったなあと
思いますが、これって、何の基礎知識も
ない人が観て理解できるかな・・・と、疑問。
なんせ青年将校たちが、すぐには漢字に変換できないような
難しい言葉を、耳が追い付かないくらい早口で
しゃべっているのです。原作を知らないと、
「なぜかわからないけど怒ってる」と
思ってしまうのではないでしょうか。
敗戦を受け入れるときの心情、崩れかかる軍隊の
状況は、ものすごく丁寧に拾っていかないと
観客の理解が追い付かないよなあと
感じてしまいました。
だからといって、平易な言葉に
直すわけにもいかないし、
解説が多すぎてもまだるっこしいし、
万人受けするように作るには
陳腐な「お涙ちょうだい」が
いいのかもしれないけど、それでは
作品の重厚さは伝わらないし・・・。
監督でもないくせに、あれこれ
考えてしまいました。
戦後70年が経過した今、当時を知ることは、
とても難しい。