朝日新聞で島田雅彦が護憲派としての理屈を述べている。
従米ナショナリスト批判はわかるし、彼らの改憲論が危険で
あることも同意する。
だが現行憲法を聖書に例えて、「憲法も日本人の倫理の経典で
あり続けた」という意見には全然うなずけない。
憲法に価値観を求めること自体が立憲主義の精神から外れて
いるし、護憲派も改憲派も憲法に幻想を抱いていることが
間違いなのだ。
確かにベトナム戦争にも、湾岸戦争にも、現行憲法が
歯止めをかけたのだが、今やそれもできなくなった。
もはや日米ガイドラインが憲法より上位の法になっているのだ。
国権の最高機関は国会だから、現行憲法に照らすと、
すでに違憲状態であり、憲法停止状態になっている。
だが、国民は「憲法(国民の命令書)」に背く権力に対して、
本気で怒ってはいない。
「お上にお任せ」の精神で、他に頼るお上がいないから、
安倍政権を支持するという愚民が大多数である。
現在の日本人は、明治の自由民権運動の頃より、劣化している
のではないかと、わしは見ている。