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高森明勅
2015.4.25 02:36

マーク・トウェインの『王子と乞食』のように

「昭和の日」が近づいた。

昭和天皇のお言葉を飛び飛びに振り返っていると、
次のようなやり取りが目を惹いた。

昭和50年9月に皇居・宮殿石橋の間で、
アメリカ『ニューズ・ウィーク』
誌の
バーナード・
クリッシャー東京支局長のインタビューに
応じられた時の一齣。

記者
 「陛下は1日でも一般の人になって、
誰にもまったく気付かれず、皇居を抜け出し、
気ままに振るまってみたいとお考えになったことはありませんか。
仮に実現したら何をなさいますか」

陛下
「心の奥底では、いつもそう願ってきました。
おそらくマーク・トウェインの『
王子と乞食』のようにね。
もし、
そのような願いがかなえられるなら、
たぶん結末もこの物語と同じようになったでしょう」

 これを拝読し、つい涙ぐんでしまった。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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