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小林よしのり
2015.4.19 05:42日々の出来事

秘書に読ませる本


わしは秘書岸端に流行小説を読まずに、古典を読むように

言っている。

流行小説は楽しいだろうが、時間つぶしにしかならない。

以前、ハワイで某流行作家の本を読んで、呆れてしまった

経験がある。

教養にならないので、どうせ読むならわしが大学生の頃、

読めなかった本を勧めている。

 

岸端は素直にわしが読んでほしい本を読んでくれるので、

ありがたい。

先日は「二都物語」を読了したと言うので、食事しながら

「レ・ミゼラブル」との比較を聞いた。

フランス革命の前後の市民の感覚の違い、特に女性の感覚

がわかって、色々腑に落ちるところがあった。

 

古典小説では学術書ではわからない当時の庶民感覚がわかる。

市民が愛国心に目覚めたときの挨拶の仕方など、岸端の読書

を通じて、わしは学んでいる。

自分で読書が出来ないもんだから、岸端に読ませて、報告

してもらうのだ。

 

本当はこんなやり方ではダメなのだ。

自分が読みたくてたまらない。

漫画家を引退したら猛烈に本を読もうと思っているが、

今頃、漫画を描く面白さにも目覚めてきたから、いつ引退

するのかもわからない。

ちゃんと本を読める余力を残して引退しなければならない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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