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高森明勅
2015.2.12 04:00

「建国記念の日」國護り演説大会

2月11日、建国記念の日。

わが家に国旗を掲げ、有楽町のよみうりホールへ。

正午から第7回國護り演説大会。

この日、参加した若者は800人位か。

567名の応募者(応募資格は29歳まで)から
数次にわたる審査を経て、最終的に残った9名が登壇。

私はここ数年、審査員を拝命している。

さすがに多数の応募者の中から選ばれただけあって、
皆レベルが高い。

応募者の性別は男性6対女性4位らしい。

だが、最後まで残った9名の中、男性は2名のみ。

優勝は小学校教諭の星野薫さん。

演題は「國護りを考える」。

美形で落ち着きがあり、表現力はほぼ完璧。

しかも、小学校での自身の実践と成果を踏まえた内容で、
自分の国の役に立つことは「難しくない。誰でもできる」
と言い切って、会場に感銘を与えた。

準優勝は、保守系シンクタンクに勤務する清水麻未さん。

演題は「拉致被害者を最後の1人まで取り返すために」。

星野さんに遜色のない抜群の表現力。

実際に拉致被害者のご家族と会って伺った話を、
大切なポイントに据えた話の組み立ても見事。

ちなみに美形。

この2人が飛び抜けた存在。

3位は激戦。

特に私の印象に残ったのは、
保育士の菊地奈津美さんと精神科の作業療法士の小林美穂さん。

菊地さんの演題は「子供の未来は、日本の未来」。

保育士を対象としたワークショップを開き、
過労とストレスで方向を見失いかけている保育士たちに、
遣り甲斐と元気を与える自らの取り組みを語った。

表現力はやや劣るものの、素晴らしい内容。

小林さんの演題は「笑いとメンタルヘルスー社会問題を考える」。

自身の仕事の社会的意義を深く捉え直し、
日本が直面する課題に繋げる。「笑いの連鎖」
生み出すーとの視点を提示。

実際に会場に何度も笑いの渦を巻き起こした。

ある審査員は、彼女の優勝を強く主張。

確かにそれもあり、と思わせた。

但し、この2人は3位には選ばれていない。

水道局で働く丸山拓也君が「労働組合に挑む」で3位。

テーマのユニークさが評価された。

だが、現役の大学生3人を含めて、
誰が3位に選ばれても可笑しくなかった。

表彰、講評など全て終わったのは午後4時頃。

若者の熱気溢れる、正に建国記念の日にふさわしい、
充実した行事だった。

その後の懇親会には勿論、参加。

なお演説大会の名称の表記は、去年までの「国」という略字から、
正字の「國」に変更。

國護り」に振り仮名を付けることにしたとか。

主催者の話では、「くにまもり」を「くにとり」と
訓む若者がいるらしい。

“護り”を“穫り”と間違えるんだとか。

若者らしく、微笑ましいエピソードだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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