今後わしと対談する人のために、断わりを入れておきますが、
秘書岸端は必ず同席します。
対談場所がどこかは秘書しか知らないし、わしは一人では
移動できません。
運転手は秘書ですから必ず同席します。
秘書は対談後、いろんな感想や意見を言ってくれるので、
わしの勉強はさらに加速します。
時浦も同席することがあります。
それは、わしが一度熱中して、終わったテーマは忘却する
からです。
次のテーマに熱中し出すと、すべて忘れてしまいます。
そこで対談場所に向かう時間、車中で時浦にレクチャーして
もらうのです。
時浦はわしのブレインであり、官僚体質なので、対談後の
帰りの車中で、「あの資料探せ」とわしが言えば、
すぐやってくれます。
終わったテーマについては、記憶力抜群の時浦の方が詳しく
なってしまうので、その後も議論が続くなら、もう時浦に
任せておいてもいいのです。
わしの関心は他に移っていて、スタッフ全員を食わせながら、
自分の仕事を次々こなしていくには、終わったテーマは
次々に忘れていくしかないのです。
わしは「運動家」ではありません。
わしは「創作者」であって、後世に残るくらいの名作を何本
生み出して、人生を終えるか?
それしか目的はないのです。