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小林よしのり
2015.2.4 00:53新刊情報

日本人の岩盤信仰を破壊する作業


イスラム国のことが話題になっていて、いろいろ本が

出てるらしい。

わしも読んでみようと思ってるが、最も簡略で的を得た

分析と説明は『新戦争論1』の第3「イスラム国は

イラク戦争が生んだ可能性だ」で言い尽くされ

ている。

去年の早い段階で描いていたものだが、イラク戦争の

ときにかなり多くの書物を読んで、考えていたことが

ベースだから描けた章だ。

 

だが『新戦争論1』が漫画だから、まさか漫画に核心が

描いてあるとは夢にも思わないのだろう。

たった6ページで、マクロに世界史を考えたときの中東

分析と未来予測もしているのだが、「イスラム国は単なる

テロリスト集団で完全悪」としか思いたくない日本人の

反知性主義は絶望的である。

 

こんな馬鹿な国民が戦争に勝てるわけがない。

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」すら無視して、

「テロリストの思惑を忖度するな」、「悪は悪だ」、「中東の

歴史にも興味はない」、「イラク戦争は終わったことだ」、

「有志連合と一緒に対テロ戦争がしたい」と言うだけでは、

話にならない。

 

なんで日本人は、特に右派は、こんなにも馬鹿なのだろう?

世界で起こっている出来事の真実を知りたいという欲望が

ないのだろうか?

むろんこの分析も、『新戦争論1』の第21章で描いている。

「日系ブラジル人「勝ち組」が信じたい情報」

だ。

日本人のほとんどが、右派も左派も全部、この「信じたい

ものしか信じない」というカルト信仰に嵌っている。

 

今後描いていく『新戦争論』シリーズは、日本人の

岩盤信仰となっている「自己欺瞞教」を破壊する仕事

だから、一年や二年では終わるまい。

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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