ゴー宣DOJO

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切通理作
2015.1.26 23:07

それでも「断固として平和を求める」?

 単行本の描き下ろしと、別の本のゲラチェックの締め切りが二月アタマにあり、映画メルマガも遅れていて、どうにも身動きが取れない切通です。

 しかもイラクの人質事件があり、世の中の出来事に耳をふさぐわけにも行かない……オマケに、前回の道場で会ったばかりの人物が起こしたスキャンダルが妙にこちらの好奇心を刺激してしまう(さすがにこれにはやや飽きましたが)。

 

 そんな中で小林さんの新戦争論、せめて一日に一章ぐらいは読まなければと思って開いたところ、ぐいぐい引き込まれ、一晩で全部読了。

 圧倒的な読後感に、手足までしびれています。

 

 冒頭、無人機による戦地の行動に、「平和」な社会の人間達が操作するゲーム機が連動し、「人を殺めている」という実感なしに戦争が行われている悪夢が提示されます。

 

 これが、どういう意味を持っているのか、一冊通してズシンと手渡されます。

 

 私が思ったのは、いま多くの日本人が持っている「反戦平和」というのは、本当に平和を求めているのではなく、暴力を行使しているという現実を忘れようとしているだけではないだろうか?ということでした。

 

 そして沖縄における殉死した看護学生の靖国への想いも事実なら、日本兵における沖縄住民の壕の追い出しもまた事実であり、南京虐殺は作り話でも、部隊によって住民の殺害が行われた事もまたおそらく事実で、また捕虜を銃剣で刺す事もたしかに存在した……と、サヨクの物語にも自称保守の物語にも回収されない戦争の実相が提示されます。

 

 いったん戦争になったら、どんなことがあり得るのか、それを突き付け、そこまでの覚悟が持てるのかを問いかけます。

 

 問題なのは、覚悟の共有なく、そこに踏み込んでしまうことです。

 まさに、歴史に学ばなければならない。

 

 武器輸出を解禁が前提にある日本政府の中東へのコミットが、国際政治のバランスの中でどのような意味合いで受け取られるのか、そのことが人質事件の背景にもあるのではないかと思います。「平和を求める」や「(テロとの)断固とした戦い」という口だけの言葉の、無力さを、いま、我々自身が思い知らされているのではないでしょうか。



当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


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当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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