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高森明勅
2015.1.21 09:00

政府は人質の危険を織り込んでいたのか?

「イスラム国」が日本人2人を人質に取り、
その身代金として2億ドルを要求している。

許しがたい暴挙だ。

人質の1人、ジャーナリストの後藤健二氏はベテランで、
現地の危険を熟知していたという。

それでも、知人の湯川遥菜氏を救い出す為に、
敢えて現地に赴いたとか。

それが事実ならとても辛い。

2人が助かることを願う。

やや気になるのは、湯川氏がイスラム国に捕まったのが昨年8月。

後藤氏も昨年11月頃から、
イスラム国に拘束されているとの情報が、
シリア反体制派内部で出回っていたらしい。

政府がそうした情報を全く掴んでいなかったとは、
さすがに考えにくい。

であれば、
政府はイスラム国に日本人2人が人質になっている事実を承知で、
この度イスラム国対策支援を打ち出したことになる。

その際、現に人質を確保しているイスラム国が、
今回のような対応に出る可能性を予想していなかったのか、どうか。

もし一切、予想していなかったとすれば、平和ボケも甚だしい。

予想していたとすれば当然、対処のシナリオも複数、
用意されているはずだ。

今後の動きを注視したい。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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