小浜逸郎はもう少しリベラルな人間だと思っていたが、
自称保守論壇で禄を食むようになったために、知性が劣化して、
在特会の「在日特権」デマに騙されるようになってしまった。
それは知識人だと思っていた人間が、実は痴識人だと判明した
だけのことだが、「正論」という雑誌は自民党の議員などに
影響があるので、結局、在特会のデマが権力にまで浸透して
しまうことになる。
さすがに在特会を擁護するのは世間的にまずいと考えていた
政治家までが、在特会のヘイトスピーチにも已むを得ない
理由があると考え出すのだ。
現に「次世代の党」は完全に在特会のデマに洗脳されて、
「在日特権」なるものがあると信じ込み、
公約にまでしている。
このようなデマを拡散させて恥じない流れ自体が、
日本社会の空気が、中道や保守でなく、右傾化しているという
論拠なのである。
「民族差別」や「排外主義」に政治家が呑み込まれるのは、
悪意のナショナリズムであって、保守の復権ではない。
こういう自称保守論客や、政治家や、ネトウヨに蔓延する
知性の劣化、反知性主義は、言論そのものの敗北を意味する。
宮台真司が「表現」と「表出」は違うという言い方で、見事に
分析しているが、自称保守派&ネトウヨは、理論による説得
という「表現」よりも、感情の「表出」に快感を覚える勢力に
堕してしまったのだ。
「差別したい」「差別の対象が欲しい」という感情は、昔から
存在するもので、自称保守派はこの差別心の「表出」に快感を
覚えているだけである。
「差別」の快感を堂々と主張できる空気は、ナチスドイツの
ようなホロコーストを生み出す温床になる。
こういうものは早く叩いておかないと、煙がくすぶってる段階
なら間に合うが、一旦炎が上がり始めると燎原の火のように
燃え盛って、止められなくなる。
ヨーロッパで起こったことが、日本では絶対起こらないとは
限らない。
「在日特権などない」という論証は、ブログで書くには
分量が多くなりすぎる。
火曜配信の『小林よしのりライジング』で書く。