昨夜は「甲斐バンド シンフォニー」を東京国際フォーラムで
見てきた。
なんとフルオーケストラをバックに甲斐よしひろが歌うのだ。
これがものすごく良かった。
一曲、一曲がドラマティックに盛り上がって、荘厳とも言える
仕上がりになっていた。
壮大な交響楽の中に、田中一郎のリードギターが泣くように
侵入してくると、もうそれだけでこの試みの凄さに気付いて
震えてしまう。
「ブライトン・ロック」の重い甲斐の声量が、昔と全然
変わっていないことに驚き、嬉しくなる。
「ビューティフル・エネルギー」が松藤英男らしい繊細で
優しい曲だとは思っていたが、あんなに美しく盛り上がる
名曲だとわかったのは、やはりオーケストラが入っている
からだろう。
「風が唄った日」は導入部からオーケストラの出番だという
ことはわかっていたし、その期待を裏切らなかったが、
それにしても甲斐が「どんな小さなものでも すぐにこの手に
拾い上げねば 怒りの鐘はいつ鳴り響く 風が唄った日」と
歌うと、今までになく熱いものが込み上げて来て、感動した。
『ゴー宣』を描くわしの心情と一致するのだ。
「LADY」は甲斐の曲の中でも、一二を争う好きな曲だ。
この歌はわしも歌ってみたい。
「風の中の火のように」が懐かしかった。
「風の中の火のように かけられたコート そのぬくもりが
君なんだ」という歌詞がまさにわしのロマンチックな心情を
表している。
「破れたハートを売り物に」はやっぱり超名曲だ。
イントロの甘いメロディーから突如パーカッションが入って
くるあの導入は一体どういうことか?
音楽の神が降ってきたとしか思えない構成だろう。
「100万$ナイト」の絶唱まで、コンサートに行かなければ
味わえない、まさにライブの価値を高める未来の
ミュージシャンの姿ではないか。
久しぶりに音楽の魅力を堪能した。
わしの隣りに「三丁目の夕日」や「若者たち」に出ていた
俳優の吉岡秀隆くんがいて、一曲一曲に興奮して拍手を
送っていた。
打ち上げで吉岡くんと同席したが、優しい男だった。