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小林よしのり
2014.11.9 04:51

バンザイノミクスの虚しさよ


日銀黒田総裁の追加緩和を、海外では「バンザイノミクス」と

揶揄しているという。

日本兵が「天皇陛下バンザイ」と叫んでやみくもに玉砕して

いった様子に例えているのだ。

 

ただひたすら短期の株価だけを気にして、怒涛のように

金融緩和をしているのだが、株価と景気は全然連動しない。

それどころか、株価にしても第一次安倍政権の頃は18000円台

だったのだから、「バンザイノミクス」で瞬間的に17000円を

超えたと大騒ぎしても、今はまた16000円台に戻っている。

何にしても株価と景気は関係ない。

 

円安は一部の無国籍企業が、何の生産性もなく、利益のバブル

が出てしまうだけで、日本の大多数の中小零細企業と一般人の

家計に打撃を与えるだけ、結果として消費を冷やすだけなのだ。

 

それでもデフレよりインフレがいいのだと主張する者もいるが、

景気の谷は民主党政権の時代に来てたのであり、政権交代しなく

ても、金融緩和しなくても、どっちみち緩やかにインフレに

転換していただろうという視点が抜けている。

 

そして、円高是正による収益拡大の成果が、一般庶民にまで

「トリクルダウン」してくる現象も、このグローバリズムの中

では絶対に起こらないということは、わしがもう十年以上、

言い続けていることである。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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