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笹幸恵
2014.10.30 06:23

トルコに行っていました

トルコに行っておりました。

南方の密林に入らない旅など、

いったい何年ぶりでしょうか。

 

一週間の旅程で、見どころ満載のトルコを

できるだけ網羅するという欲張り旅行。

 

イスタンブールでは、トプカプ宮殿や

ブルーモスク、アヤソフィア博物館、

軍事博物館、海軍博物館を見学。

 
(ブルーモスク)

首都アンカラでは、夫が駐在武官を

していた頃の大使館スタッフにご挨拶、

アタチュルク廟とアナトリア文明博物館の見学、

さらにカッパドキアで気球ツアー!


(カッパドキア)


(カッパドキア/三姉妹の岩)

見るものすべてが美しく、

雄大な景色の中で、人間一人が生きる一生など

なんてちっぽけなものかと思わざるを得ません。

それは景色ばかりでなく、この国の文明や
歴史の長さが
そう思わしめるのかもしれません。

 

なんせ紀元前6000ー5000年頃には、すでに

装飾品としてネックレスが作られています。

このときの素材は、骨や歯、貝殻など。

紀元前3000ー2000年になると、金銀など材料に、

今、グランバザールで売っていても

おかしくないような装飾品がつくられています。

アッシリア時代になると、粘土板に象形文字が

書かれるようになります。

文明博物館では、象形文字で綴られた

結婚証明書、離婚証明書なんてものも。

日本が縄文時代の頃、すでにこの地には
高度な文明社会がありました。

一方で、トルコ共和国としての歴史はまだ若く、

1923年です。ムスタファ・ケマルが革命によって

オスマン朝を倒し、近代化を成し遂げました。

ケマルはアタチュルク(建国の父)として

国民に崇められています。

町には銅像があちこちにあるのですが、

ほとんどアタチュルクの像。

銅像といえば、アタチュルク。

 

トルコの地は、ヒッタイト、ペルシア帝国、

ローマ帝国、ビザンツ帝国、セルジューク朝、

オスマン朝と、目まぐるしく国(と支配者)が

変わっていて、とても複雑。

それに引き換え、日本はずっと日本です。

他者に征服されたことがない国。

これはほとんど奇跡に近いのかもしれません。

 

あー、それにしても、学生時代、

もう少し世界史を勉強しておけばよかった。

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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