村山談話・河野談話に未来はあるか?
第65回 ついに国連の文書に登場した「性奴隷」
戸塚悦朗弁護士が「気が遠くなるほどの数」の国際会議
に出まくって、慰安婦は「性奴隷」であり、日本政府の
責任追及をすべきだと訴え続けて2年が経った1994年、
ついに国連人権委は「女性に対する暴力に関する
特別報告官」としてスリランカ人女性、
ラディカ・クマラスワミを任命、調査に当たらせた。
クマラスワミは1995年7月、日本、北朝鮮、韓国へ
調査旅行を行なう。
この際、日本では日本政府の責任を追及する
吉見義明教授と、吉田証言の虚偽を実証し、
日本政府の責任を否定する秦郁彦教授の両方から
聞き取りをしている。
そしてクマラスワミは1996年に
「戦時の軍事的性奴隷制問題に関する報告書」、
通称「クマラスワミ報告書」を提出するのだが、
その内容はデタラメの一語に尽きるものだった。
何しろ、タイトルから「性奴隷」という言葉が
使われているのだ。
そして「第1章 定義」には「慰安婦」ではなく
「性奴隷」という語句を使うことについて、
こう書かれていた。
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特別報告者(注・クマラスワミのこと)は、「慰安婦」
という語句が、女性被害者が戦時下に耐えなければ
ならなかった、強制的売春ならびに性的服従および
虐待のような、毎日行なわれる複数の強姦および過酷な
肉体虐待の苦痛を、少しも反映していないとの、
現代的形態の奴隷に関する作業部会委員ならびに
非政府機関代表および学者の意見に全面的に賛同する。
したがって、特別報告者は、「軍隊性奴隷」という語句
の方がより正確かつ適切な用語であると確信を持って
考える。
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この文中にある、「慰安婦」という語句は不適切で、
「軍隊性奴隷」とすべきだと意見した
「非政府機関(NGO)代表」とは、戸塚悦朗以外
にはありえない。
そして、同様の意見を表明したとされる
「現代的形態の奴隷に関する作業部会」とは、
戸塚が足繁く通っては自説を訴え続けた会議である。
さらに、同様の意見を表明したという「学者」とは、
日本で面談した吉見義明である可能性が
高いのではないか。
ともかくこうして日本人自身の、それもほとんど
戸塚悦朗というたったひとりの男の働きによって、
ついに慰安婦は「性奴隷」として国連の公的文書に
記載されてしまったのである。