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小林よしのり
2014.4.21 14:00

慰安婦資料を見る目のバイアス


村山談話・河野談話に未来はあるか?

59回 人間の目には無限にバイアスがかけられる!

 

前回まで9回にわたって紹介した、ビルマ・ミッチナに

おける慰安婦の実態報告書。

これは米軍のアメリカ戦時情報局心理作戦班、および

東南アジア翻訳尋問センター1944年に作成した資料

である。

調査したのは第三者、むしろ敵国の機関である。

日本にとって有利なことを、事実を曲げてまで書く

ことはありえない。

 

この資料を収録している本は、慰安婦問題で日本国家の

責任を追及し、謝罪と補償を求める立場の最高権威、

中央大学教授・吉見義明が編集した

従軍慰安婦資料集』である。

 

この資料のどこをどう読めば謝罪と補償を求める根拠に

なるのか皆目見当がつかないが、この『資料集』の

巻頭には吉見による

『従軍慰安婦と日本国家――解説にかえて――』と

題した文章が載っており、『資料集』に収録された

それぞれの資料についての見解を表明している。

そして問題の「ビルマにおける慰安婦・慰安所」について

は、資料の概要を説明した上で、吉見はこう言うのだ。

・・・・・・・・・・・・・・

「前借を返し終えた慰安婦も帰国することができなかった、

とある。

この資料を読めば、これらの慰安婦の多くはだまされて

連行され、慰安婦となることを強要されたこと、

慰安所の経営は、事実上軍の丸がかえであったことなどが

よくわかる。

また、20名の朝鮮人慰安婦の年齢は徴集当時21歳未満の

未成年者が12名もおり、最低年齢は17歳であったこと、

2名がいなくなっていること(爆撃による死亡)も重要

である。

慰安婦は最高で月1500円を稼いだが、半分は業者が取り、

また、食費をはじめ衣服・日用品など諸費用の名目で

多額の金を取り上げている」

・・・・・・・・・・・・・・

人間の目って、無限のバイアスをかけることができる。

日本軍=悪という偏見を持てば、史料解釈が悪意でしか

とれなくなってしまうのだろう。

 

前借を返し終えた慰安婦が帰国できなかったのは戦況悪化

のためで、むしろ安全に配慮したからだ。

 

だましたのは朝鮮人の周旋業者と娘を売った親であり、

前借金は家族に渡っている。

未成年の就業は当時の朝鮮では違法ではなかった。

 

業者が稼ぎの半額を取り、割高な諸費用も取っていたと

いうのは内地の遊廓でも普通にあったのだが、それでも

収入は日本兵以上だったではないか。

日本国家が謝罪すべき理由が見あたらないのだが?

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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