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小林よしのり
2014.4.17 08:32日々の出来事

「まだわからない」のに論文だけで詐欺師か?


笹井芳樹氏の会見後、東大医科研特任教授の上昌広氏の

意見が少し変わってきた。

この、上教授は何度もテレビに出てきて、

必ず小保方氏の論文や実験ノートの失点を、細かく指摘

して嫌味っぽく批判していた。

STAP細胞の存在にも最大級の疑念を表明していた。

 

ところが今朝の産経新聞を読むと、上昌宏氏は

科学的な部分については笹井氏の説明は正しかったと思う

と言っている。

「未熟な研究者」である小保方氏を抜擢したことを批判し、

理化学研究所の責任を追及する立場は改めて表明している。

 

理研の責任はわしも大いにあると思うが、小保方さんを

抜擢したのは誤りだとは思わない。

そもそも研究部門でのノーベル賞の受賞数では、

東京大学は圧倒的に京都大学に負けている。

東大は官僚型の人間になってしまうから、地味で緻密な

論文を要求するだろうが、京大は自由な気風だから

常識を覆す「挑戦的な研究」を期待する傾向があるのだろう。

 

小保方さんも「挑戦的な研究」を行うから、

ユニットリーダーに抜擢されたようだ。

論文が不備だらけで、実験ノートが少ないのは、

小保方さんが実験オタクだからだろう。

もしそんな女性が本当にSTAP細胞を作っていたとしたら、

また評価はすっかり引っくり返る。

論文の不備が多すぎるという官僚的な批判だけで、

小保方さんを詐欺師あつかいするのは、科学的にも、

道徳的にも異常だろう。

「まだわからない」たったそれだけの科学的態度がなぜ

とれないのか不思議だ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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