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高森明勅
2013.11.25 11:02

守るべき最終的な価値

昭和45年11月25日、三島由紀夫は
多くの人々に鮮烈な印象を遺して自決した。

三島は生前、石原慎太郎氏との対談「守るべき価値」
(『月刊ペン』昭和44年11月号、
後に『三島由紀夫対談集 尚武のこころ』に収録)の中で、
次のようなやり取りをしている。

三島
「…バリューというものを追い詰めていけば、
そのために死ねるものというのが、
守るべき最終的な価値になるわけだ。…」

石原
何のために死ねるかといえば、それは結局自分のためです。
その自分の内に何をみるかということ」…

三島
「…最後に守るものは何だろうというと、
三種の神器(
じんぎ)しかなくなっちゃうんだ」…

石原
「…ぼくはぼくしかいないんだもの。
ぼくはやはり守るものはぼくしかないと思う」

三島
「身を守るということは卑しい思想だよ」ー


両者の思想の根源的な対立が、
くっきりと浮かび上がるやり取りだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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