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高森明勅
2013.7.26 06:17

古代の天皇祭祀への皇后の「助祭」

先に、雅子妃殿下のご療養と皇室祭祀の兼ね合いを考える
補助線として、近代の皇室祭祀における皇后の関わりについて、
少し触れた。

ここでは、前近代の事情について、いささか補足しておく。

天皇ご自身が奉仕される大切な祭祀に新嘗祭がある。

これに類した祭祀として、やはり天皇親祭の
神今食(じんこんじき)という神事が、かつてあった。

これらの祭祀に、皇后が「助祭」として加わった例が、
平安時代に見えている。

この事実から、次のような見方がされることがある。

皇后は元来、天皇と並んで祭祀に重要な位置を占めていた。

だが、次第にその地位が下がって、平安時代の頃には、
天皇の祭祀を手助けする「助祭」に甘んじるようになったーと。

しかし実際は、そうではなかったらしい。

そもそも、飛鳥・奈良時代の天皇の祭祀に、
皇后が大きな役割を果たしていたことを証明する根拠は、
ほとんどない。

そこで近年の研究では、皇室の祭祀・儀礼において、
日本の皇后は元々、シナの皇后と比較して、
不可欠の存在とは見られていなかったとされる(梅村恵子氏ほか)。

では、史料に確認できる皇后「助祭」の実例を、どう理解すべきか。

これについては、9世紀前半の第52代嵯峨天皇が、
シナにおける唐の武后などの前例を参照して、皇嗣との関わりで、
その母である皇后の権威を強化すべく、
皇后が祭祀に関与する制度を新たに創始したようだ
(西本昌弘氏「九条家本『神今食次第』
所引「内裏式」逸文について」)。

しかも10世紀中頃の第62代村上天皇の頃には、
既にそのことは行われていなかった可能性がある。

天皇親祭に皇后が「助祭」として加わるのは、
嵯峨天皇とその次の淳和天皇の頃に特有の、
謂わば例外的な形だったらしい。

皇后の祭祀への関わりが、このように例外的なものに止まったのは、
祭祀における天皇の超越性を示しているだろう。




テーマ「雅子妃殿下の行方」



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『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端


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高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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