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高森明勅
2013.7.12 10:35

原発を巡るトリック話法(2)

安倍首相はTBSの番組で原発について
「地元の同意を得る努力をしながら再稼働していきたい」 と語った。 巧妙な発言だ。 テレビの放送中にさらっと聞くと、 しっかり地元の意向を尊重し、 地元の同意を前提に再稼働に踏み切るように、聞こえてしまう。 と言うより、そう受け取られるのを狙った発言だ。 しかしこれも、安倍首相流のトリック話法だ。 「地元の同意を得ながら」とは、決して言っていない。 「得る努力をしながら」としか言っていない。 つまり、 「同意を得るように一応、それらしい努力はしますよ。 格好だけでもね。 でも地元がわからんちんで同意が得られなくても、 それは仕方がない。 その時はかまわず、どんどん再稼働はやるよ」ってこと。 よく裏声の部分を聞き取らないと、また騙されてしまう。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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