改憲派の憲法学者で慶応義塾大学教授の小林節氏が、
憲法96条改正に反対を唱えておられる。
その意見を紹介する。
「アメリカは…(改正要件は)日本以上の厳しさであるが、
それでもすでに30回近くも改正されている。
したがって、条件が厳しいから改正できないというのは詭弁である。
時代や世界の変化に対応できなくなっている
日本国憲法の改正は急務であろう。
特に改憲派の政治家は、そのことを熟知しており、
長年に渡って苛立っている。
そこで、まず改憲の条件を緩和してから、
次に各条文の改憲を行おうという提案が党派を超えて出てきている。
しかし、それは邪道である。
…憲法は、国家の基本法なので、
容易に変更できるようでは、国家の骨組みがぐらついてしまう。
…だから、他の法律以上に改憲のハードルが高くて当然である。
また、憲法は権力者たちを縛る法であるが、
それが、その権力者たちによって
改正の提案がし易いものにされてしまって良いはずがない。
さらに、今回、
実質的なその先にくる諸々の改憲案の説明をせずに、
『手続きだけを緩和したい』という提案を、
憲法に縛られるべき権力者たちが
主権者・国民に示しても、
胡散臭く思われるだけで、成算はないであろう。
…改憲派議員たちの改憲論には正当性があるものが多い。
だからこそ、小細工をせず、
正攻法で改憲を目指すべきであろう」
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小林氏の意見は、
他の論点も含めて、全て私の考え方と一致する訳ではないが、
頷ける点も少なくない。
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