ゴー宣DOJO

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切通理作
2013.2.15 05:11

死ぬまでに手元に残しておきたい本

 いま出版不況と言われていますが、本を含めていままで<商取引>が前提だったものが、はたしてこれからも必要なのか?という問題があります。

 

 衣食住に直接からんでくるものではないものに関しては「本当にそれが必要なのか?」と問い直すことは必要だと思います。

 

 と同時に、必要なもので、実際にはやり取りされていても、それが商売にならないように仕組まれている……ということはあるのではないか?

 システムを作った人間だけが得をするような「罠」が貼りめぐらせてはいないか……そんなことをテーマに、今週メルマガ「小林よしのりライジング」に原稿書かせて頂きました。

 

 今後自分は、出版の中で生きている人間として、上記の二つの視点をどちらも忘れないでやっていきたいと思います。

 

 さて奇しくも、ゴー宣道場チャンネルでやらせて頂いてる『切通理作のせつないかもしれない』も、読書番組として改めて問い直す形でリニューアルしています。

 

 かつてゲストに来て下さった女優・渡辺真起子さんに「好きな本を挙げてください」と質問した時、「切通さんにとって、一番好きな本はなんですか?」と反問され、私は絶句してしまいました。

 

 渡辺さんは言いした。

 「死ぬまでに手元に残しておきたい本って何冊あるの?」

 

 その問いにハッとした私が、記憶にさかのぼって突き当たった一冊の本は『星の王子さま』。

 

 世界中で読まれ続け,様々な解釈がされてきたサン・テグジュペリのこの本について、思春期以降、何度か読み返してきた私通と、初めて読む少女が語ります

 

「自分は大人なのか、子どもでいれてるのか」。揺れる思春期の少女と読む『星の王子さま』。

 

 そしてこの少女自身が選んだとってきの二冊、ケータイ小説の『Teddybear』と先ごろ映画化作品が評価された『ふがいない僕は空を見た』も取り上げています。

 

 

『星の王子さま』は女の愛し方を知らなかった少年が、いくつかの星をめぐる話です。

訪ねた先の星では、「ものそのもの」を見ることから疎外され、聞きたいことしか耳に入らない男たちと出会います。

 

そこに書かれているの自分の力で物ごとを見るようなきっかけであり、原点回帰なのかもしれません。

 

実は昨日も新しい回の収録をしてまいりました。

今度はなんと、太宰治の作品を対象にします。

 

太宰治を初めて読むという少女・井上紗里奈さんと、若い時以来再読する私の、

世代を超えた対話を、ぜひ見てくだされば幸いです!

 

思春期に読む・人生を先取りする小説 切通理作のせつないかもしれない#64

 http://www.nicovideo.jp/watch/1360310204

 

ことそのこと・ものそのものがわかるか??『星の王子さま』を読む 切通理作のせつないかもしれない#65

 http://www.nicovideo.jp/watch/1360310204

 

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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