そこここから、安倍晋三首相待望論が聞こえてくる。
だが私は、安倍晋三氏に期待しない。
期待しないどころか、信用もしない。
理由は簡単。靖国神社に対する彼の姿勢が、
まるで信用に値しないからだ。
彼が首相になる前に、何と言っていたか。
小泉首相が就任以来、続けてきた靖国神社参拝は、
誰が次の首相になっても受け継がなくてはならない、
と強調していた。
にもかかわらず、当の本人が首相になっても、
参拝しなかった。
こんな人物を誰が信用できるか。
あとから色々言い訳しても、よけいみっともないだけだ。
先の自民党総裁選の時には、
首相在任中に参拝しなかったことを「痛恨の極み」とまで表現した。
何をいまさらだが、
総裁になって靖国神社の秋季例大祭にあわせて参拝した際は、
「首相になったら参拝するかしないかは申し上げない方がいい」
と早くも逃げをうった。
こうした不様なブレは、
彼が靖国神社への参拝について、
功利打算で判断しようとしていることを、
はしなくも暴露している。
選挙に有利に働くかどうか、
内外への印象が良くなるかどうか等々。
だが靖国神社は、たった1つしかない命を、
祖国のために捧げた方々の御霊を祀る聖地だ。
その英霊への参拝は、首相の崇高な義務である。
ソロバンをはじいて、行くか行かないかを決めてよい事柄では、
全くない。
もちろん、政治家は一切、
打算で動いてはならない、
なんてことは爪の先ほども考えてはいない。
そうではなくて、
政治家は99パーセント功利打算で動いていても、
一方では、損得勘定を越えた聖域が厳然として存在することを、
知らなくてはならない、
と言いたいのだ。
靖国神社は、まさにその最たるものと言えよう。
靖国神社を巡り、ソロバンをはじこうとする政治家に、
期待するわけにはいかない。
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