今月のゴー宣道場の冒頭、小林よしのりさんは、
さる有力な政治家から次回総選挙への
立候補を求められていることを、告白された。
参加者は皆、驚いたに違いない。
しかも、それに応じる可能性もゼロではない
口振りに一層、驚きを深めた人もいただろう。
小林さんの日本の現状への危機感は、
それほど深かったのか、と。
道場のアンケートでは、私が目を通した限り、
小林さんの政界入りに無条件で賛成、という人はいなかったようだ。
小林さんがどう判断されようと、
変わらずに応援します、といった反応が多かった。
いたって健全な反応だ。
私の感想は、小林さんがどう決断されるにせよ、
漫画家と政治家の二足のわらじは、
恐らく無理だろう、ということ。
小林ファンの中には、
小林さんが政治家をやりながら、
そこでの体験をリアルに漫画で発表すれば、
政治の世界に新しい風を吹き込み、
漫画としても画期的な作品になるのでは、
と期待する人がいるかも知れない。
だが政治とは、そんなに甘いものだろうか。
小林さんがどんなに天才でも、
もし政治家になるのなら、政治の世界で全力を尽くし、
燃え尽きる覚悟でなくては、
小林さんご自身が望んでおられる成果を得ることは、
難しいのではないか。
あれも、これもは、通用しない。
まさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」だろう。
政治家の道を選ぶなら、少なくともそう肚を決めて、
政治に挑戦するのでなければ、
やがて後悔することになるのではないか。
無前提に、政治家と漫画家のどちらがいいか、
という話ではない。
稀有な漫画家、小林よしのりが、
漫画を捨てて政治の世界に百パーセント打ち込むのか、
それとも漫画家として踏ん張りながら、
政治への影響力を拡大してゆく道を探るのか。
そのことが問われているのだろう。
小林さんの決断に注目したい。
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