ゴー宣DOJO

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高森明勅
2012.11.12 16:35

第31回ゴー宣道場に参加しなかった人は後悔せよ!

こういうのを手前味噌とか、自画自賛というのかも知れない。

だが、11月のゴー宣道場は、少なくとも私自身にとっては、
非常に面白かった。

知的刺激に富み、新しい発見がいくつもあった。

正直に白状すれば、今回ほど、
事前に議論がどう展開するか、全く予想がつかなかったことはない。

だから、事前の準備もほとんどなし。

何を喋るか、完全に白紙だった。

普通は、前もって打ち合わせもするし、
議論のシナリオもいくつか頭に浮かび、
それに即して話題を用意したり、
これは発言しておきたいというポイントなども
胸に秘めて本番に臨む。

もちろん、そうした事前の予想が、
良い意味で「裏切られる」ことは、
しばしばあるが。

しかし今回は、事前の打ち合わせで、
何とか議論出来そうだ、
という微かな感触を得た程度。

掛け値なしに「出たとこ勝負」だった。

にもかかわらず、切通理作さんや小林よしのりさん、
道場生などの発言に触発されて、
次々に喋りたいことが湧いてきた。

討議ではAKB48と安倍晋三、
ヤマトタケルとやくざ映画などを同じ俎上に載せて、
かなり大胆かつ斬新な議論が出来たのではないか。

取り上げたテーマも、
アメリカの正義に対する日本における正義の喪失、
知識人に蔓延る価値相対主義の問題点、
自由主義と民主主義の対立、
ヒーローと当事者意識等々、
興味深い論点がわんさか。

アンケートでは、
切通さんと私の絡みが面白かったと書いて下さった人が、
何人かいた。

切通さんとの稔りあるやり取りは、
私自身勉強になり、面白かったし、意外でもあった。

切通さんと私では、守備範囲も違えば、
知的なスタイルもかなり違う。

普通なら、なかなか議論が噛み合いにくくて、当然だ。

だが、サブカルヒーローをテーマにしたお陰で、
予想外に議論が繋がった。

今回は、タイトルがサブカルだったので敬遠した人もいたようで、
いつもより応募者数は少なかったらしい。

だが一方、ゴー宣道場ならサブカルをテーマにしつつ、
そこから楽しい飛躍をやってのけるのでは、
と期待してくれた人もいた。

結果としては、後者の読みが当たったのではないか。

もちろん、サブカルヒーローもしっかり取り上げた。

月光仮面から怪傑ハリマオ、
アンパンマンやアメリカのバットマンなど。

機動戦士ガンダムも話題に出た。

今回は、まさにゴー宣道場ならではの議論が出来た、と思う。

一連のやり取りの中で、2回ほど、
自分の意見を訂正する機会もあった。

1回は、私の意見に笹幸恵さんが異論を提出されて、
それを組み込む形で考えを展開出来た。

もう1回は、第2部での道場生の発言に納得して、
第1部で発言した1つの解釈を、ほぼ全面撤回した。

こういうことがあるので、道場はやりがいがある。

1つ失敗は、テーマがサブカルヒーローだったので、
楽しい感じを出そうと、
軽いノリでおぼっちゃまくんの「脱原発」Tシャツを着こんで
会場に臨んだものの、
マジな雰囲気の中で、すっかり浮いてしまった。

とくに、最前列に座っていた中学1年生と
小学3年生の可愛らしい姉妹に、
「危ないおじさん」を見るような目で
見られている気がして、辛かった。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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