よしりん先生の
登場でーす
公演終了後、
席を立って出ていこうとしたとき、
多くの男たちが振り向いて
挨拶してくれた。
「小林さ――ん」
AKBヲタは基本的に大好きだ。
先導するヲタは尊敬する。
わしの母は、
わしがAKBに嵌ってると知ると、
吐き捨てるように毒づく。
いい年してなんてみっともない」
自分は氷川きよしの
追っかけしていて、
出待ちをするほど狂ってるのに、
何を言ってるんだ
母は、財産はすべて
氷川きよしに注ぎ込むから、
葬式は簡素でいいと
言うほどに血迷ってるが、
わしはそれを許容している。
氷川きよしに注ぎ込むから、
病気をしたら面倒を
見てくれと言うのだから、
エゴイズム100%の馬鹿親だ。
息子が親の財産を
全然当てにしないほど
稼いでいるからだということが、
わかってない。
こんな馬鹿母を
許すわけはないのだが。
逆なら良かったのに。
嵌ってることを知ると、
馬鹿にするのは母だけではない。
わしの妹も、
福岡の親戚もすべて
「なんてみっともないくだらない
よしのりさんが何で?」
と呆れるらしいのだ。
母や妹にとっては、
AKB48総選挙のテレビ生中継で、
福くんのあとに
わしが出てコメントしたのが、
相当 「世間体」 が悪かったらしい。
報道系の番組に出たときは、
人に自慢するほど
「世間体」が良くて、
誇らしいようだが。
AKB48に嵌るということは、
世間的にはやっぱり
相当みっともないと
思われるらしいのだ。
「オタク」 とか 「ロリコン」
というイメージで
わしを見る者も多いと聞いた。
馬鹿馬鹿しい
妻がいて、他にも
デートする大人の女性がいる
「リア充」 のわしが、ロリコン?
わしは公演終了後も
「ハイタッチ」 もせずに出ていくし、
「握手会」 にも行ったことがない。
若い子にとってはアイドルに
触れられるなんて嬉しいだろう。
だがわしは
ただ応援するだけで十分なのだ
みおりんやあーにゃは、
子供のいないわしにとっては
娘を見る感覚だ。
女として見てるから、
わしを傷つけないでほしいけど(笑)
しかしAKBって、
好きな者はとことん好きになるが、
嫌いな者はとことん嫌悪していて、
偏見がすごい。
普通のじじいやおっさんは
理解不能だから、
週刊新潮や週刊文春は、
バッシングに精を出す。
しかも天下国家を語っていた者が
AKBを熱心に語り始めると、
ものすごくリスクを伴う。
「ついに小林よしのりの
弱点を見つけた」
というノリで、
ネットだけでなく、
親や妹や親戚からまで軽蔑される。
実はその原因もわかっている。
漫画だって、
昔はとことん馬鹿にされ、
PTAから常に目の敵にされ、
社会的に偏見の目に
さらされていた歴史がある。
何度もこの偏見と戦ってきた。
クソじじいどもは、
わしを漫画家というだけで
馬鹿にしたがる。
わしはAKB48現象を
「漫画」という手段でひも解き、
社会的に認知させる
作品をつくろうかと思っている。
それは決してAKBブームに
のっかるものではなく、
AKBを通して、
現代社会や日本人を
論じるものになると思う。
今に見ていろだ