『産経新聞』6月28日付の一面トップに「皇室典範改正 女性皇族の尊称保持 政府方針 結婚後も公務継続」
という記事が載った。
政府内部で、女性宮家の創設は先送りして、女性皇族がご結婚後も「内親王」などの尊称だけを保持して、
皇室の公務は継続できるようにする「妥協案」が浮上したという。
馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
このプランがいかに出鱈目かは、既に高森ウィンドウズ「尊称だけの『内親王』『女王』5つの問題点」で徹底批判した。
未見の方はぜひご覧頂きたい。
それにしても、政府の無責任さには呆れかえってしまう。
皇室が直面している問題の本質は、現状のまま推移すれば、
やがて皇室には悠仁親王殿下お一人(及び妃殿下、お子様)だけになってしまう、という点にある。
すなわち、皇室存続の危機が、目前に迫っているのだ。
尊称だけの内親王や女王を認めても、皇室の危機はいささかも軽減されない。
それどころか、女性宮家創設を断念することで、危機を決定的に深刻化させる暴挙と言う他ない。
更に、尊称だけの内親王方に何の手当ても用意せずに、ただご公務の継続だけをお願いするのか。
もしそうなら、民間での普通の生活に伴う家事、育児等に、
ご公務が上乗せされるのだから、過大なご負担になってしまうだろう。
しかし一方、国民になられたにもかかわらず、尊称の他に皇族に準じる特別の待遇が用意されるのであれば、
それは国民の中に新たに「身分」制度を設けることになるのではないか。
皇室と国民という区別については、既に国内に揺るがぬコンセンサスが長く確立している。
しかし、国民の内部に新しい「身分」を作るとなると、話は別だ。
強い違和感が生まれる可能性がある。
それがより強まれば、これまで自然に受け入れられて来た皇室と国民の区別さえ、疑問視されることになりかねない。
国民の間での身分制を否認した憲法(第14条)との兼ね合いも当然、問題になろう。
皇室の存続を願うのであれば、道は一つしかない。
女性宮家の創設だ。
それ以外は、すべて邪道だと悟るべきだ。
しかも、残された時間は余りない。
女性宮家の創設を先送りしてはならない。
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