ゴー宣DOJO

BLOGブログ
切通理作
2012.4.10 07:44

歴史と出会うのはいつでも「beginner」! 選書感想集ML編

 先日の第24回道場、アンケートで感想書いてくださった方の中から複数「書籍化してほしい」という声を多く頂きました。

 

 飛鳥新社の担当の方と御相談しながら、いい本を作っていければと思います。

 

 しかしいま現在はゴー宣道場選書第一弾『原発はヤバイ、核兵器は安全』が新刊の棚で絶賛発売中です!
 まだ手に取ってない方はどうぞよろしく!!

 今回もまた、皆様からの反響を紹介させて頂きます!

 

 今回は道場で門弟との交流としてやっているメーリングリストの声から。このメーリングリストは、よしりん企画の時浦さんと岸端さんが手綱の引き締め役となりながらも、基本的には門弟となった方が自主的に参加して運営されているものです。小林代表師範の目にも届いており、笹師範と私は直接参加しています。

 

以後の意見の抜粋は、本の中でも言及されている「道場門弟」がどんな人たちなのかということ、また本書が当のゴー宣道場の中でどう受け止められているのかも、かいま見えると思います。尚、お名前はハンドルネームの方をイニシャルで記させて頂きました。

 

 まずは千葉県在住の主婦・Yさんの4/5の投稿から。

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●ゴー宣道場選書の中の、「書生の感覚」という小林先生の言葉がとても心に残っています。

 日頃、自分の生活の事や仕事の事で手いっぱいなんだけど、ゴー宣や道場を通して、世の中の事や国の事に関心を持って、何とかしたい・・・と思っている人が集まっている。

 昔で言うところの書生さんの感覚なのですね、道場生は。

 ところどころに効果的にちりばめられたコラムが、ただ、道場で議論されたことを活字にするだけでなく、「ちょっと休憩」的な効果があって、本の構成が素晴らしいなと思いました。

 動画で道場を観るのとはまた違って、活字として道場の議論が残ることで、何度も繰り返し読み返したりすることもできます。

 実際に参加して、そのあと動画でまた議論を聴いているんだけれど、活字になると頭の脳みその中に直接言葉がダイレクトに飛び込んでくるような感じで、また新たな気づきがあったりするのです。

 値段も手ごろですよね。わしズムも「安すぎる!」と思いましたが、こんなに安く設定していいのでしょうか。1500円なら買います。2000円だったら・・・・ちょっと購入を考えちゃう人が増えるかな?

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 今回私は構成を手伝わせて頂きましたが、自分が情熱を持っているとしたら、ゴー宣道場の本作りはもとより、その前に道場の中での気付きや発見なので、それをいかにそのまま、道場に来ていない人にも伝えられるだろうか。
 

 ゴー宣道場の議論をただ外から眺める感じではなく、自分もそのなかで一緒に何かを発見したり、思考の切り口を見つけられるように、より明確にするにはどうしたらいいか。

 

 
 ・・・・・・ということがあった時、小林よしのり代表師範の「書生の感覚」という言葉に出会い、「そうだったのか!」と言い当てられました。

 

  みんな日々の生活や仕事で、ゴー宣道場自体、来たくても来れない人もいます。

 でも「書生の感覚」で、場所や空間を超えて、自分と社会を考える根源に立ち戻ることが出来る・・・・・・そこから発する一冊に出来るのではと思いました。

 

あ議論の間に挿入のコラムは、道場に来ている人だったら呑みこめているかもしれない事項や思考のプロセスを再確認して頂くとともに、美術館のキュレーションのようなものになればと思いました。もちろん、その中心になるのは、小林師範がどのような思いで道場を作り、どんな血液が流れているのか・・・・・・ということです。

 

 動画は生の議論と違って「いまのこの話をもう一回」って繰り返し見ることは可能ですけど、どうしても、いま進んでいる時間を遡ってたしかめるのって、生理的にはおっくうだと思うんです。


 僕にしても、ふだん動画を見るとき、よっぽど再確認が必要だと思った時以外、そのまま流れる時間に任せてしまいます。

 でも活字って、繰り返し読むことが気持ち良かったりするんですよね。

 道場の議論は、ただ流れていくだけではもったいないと思っていたので、構成を手伝わせて頂いた私自身、いい機会に恵まれました。

 

 次はKさん(女性)から3/13の投稿。


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●読んでいるうちに、初めて道場に行こうと思ったときの気持ちや、初めてのゴー宣、差別論を読んだ頃を思い出しました。

 
 実家はモツ焼き屋を営んでいて、毎日品川の屠場まで仕入れに行っています。しかし自分は学校で部落差別などを教わった記憶がなく、人からも聞いた事もありませんでした。兄の部屋にある差別論を手にとらなかったら未だ知らなかったかもしれません。

 自分ちが、屠場で仕事している人達のおかげで商売が出来てご飯が食べられている。なのに日本の歴史も何も理解していない、それはとても恥ずかしいし、罪な事だと感じました。

 小林師範が仰る「書生の感覚」「原点を取り戻す」・・・・・・beginnerと言うのでしょうか、そういう気持ちに還りたいときに必ず手に取りたい本です。

現場で躓きそうなときに必ず修身論を読み返しますが、隣に置いてセットで読みます。

 私は他の人より油断や慢心が多く忸怩ってばかりいるので、道場の前の日は必ず読むことにしました。門弟心得愛蔵版みたいです。私の言葉では上手く感動が伝わらず、悔しいくらいです。

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 こちらこそ心が引き締まります。

 道場MLではこのように、おこがましくも師範と呼ばれる私の方が初心に返らされる声が、毎日のように投稿されています。

 

 本書収録の道場の中でも述べましたが、歴史の上に立っているということに目覚める瞬間は、「自分はそれまで何をやっていたんだ」という自責とともに、「いまここ」から現在・過去・未来を捉え返せる、めくるめく視点を手に入れることでもあります。

 

 Kさんの投稿を読んで、それがまさにbeginner・・・・・・「書生の感覚」でもあるのだなと、私もまた目が開かれました!

 


 次は長野県在住、主婦で家業手伝いのWさんから3/14の投稿。


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●ゴー宣道場選書を読みました。「なぜ『道場』なのか」—-「ゴー宣道場」に直接参加できる、ってただ事ではないことと思いを新たにしています。何年来読んで来た、その都度揺さぶられ考えさせられてきた、そのゴー宣の場に今身を置いているなんて!。 そしてそれはどんなに大切に細やかな心遣いの上に成されているか。

  参加者は、意志があることはもちろんですが、家族の理解や応援、健康、仕事、自由になる時間、果敢な気持、そうそう第一には葉書の当選、等々、様々な条件に恵まれてはじめてこうしてこの希有な場所に参加させて頂いているのですね。何年か前の自分は、こういう時が来ることを万が一にも想像できたでしょうか(^o^)–“仕合せ”とはこのことです。

  「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ」(P114で触れられる歌)

 ・・・ほんとうにこの歌のようにのびやかにワクワクしながら、そして真剣に進んでいくのがこのゴー宣道場。この歌のようにどこまでも興味津々面白ガリータでいたいです((^-^))。そして我が身ごと動ぐ(ゆるぐ)のです。

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 自分の現場を持っている人の言葉は説得力がある・・・・・・というコラム『なぜ道場なのか』での小林さんに言葉にWさんは着目されてます。

 

 先のKさんもそうですが、このWさんの投稿を読んでいても、ご自分と家族、地域の「身の回りの関係性」を見つめ直し、そのありがたさを再認識する実践を、門弟の方々が各々されているのを知ると、都会育ちで個人主義に染まった私は恥ずかしくなってしまいます。

 

 次は神奈川県在住のTさんから3/17の投稿。


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●切通師範の「1時間で読めます。」は無理でしたが、読みやすい内容ですね。

 個人的な話になりますが、私の道場への応募のきっかけは、東日本大震災でした。

 それまで、外野からゴーマニズム宣言はじめ、よしりん師範の作品を楽しみにしており、ちょうど前作の「ゴー宣道場」(WAC出版)を読んで、なんだか楽しそうなところだ なと思っていました。

 そんな折、3・11の大震災でした。

 私自身、帰宅難民となり、知り合いの小学生のお子様も津波で亡くされたりして、「ただ読んでるだけではだめだ。いま何か始めないといけない。」と思い、往復はがきを書いたところ、みなぼん様のおかげで、4月の道場から参加させていただくことができました。

  「3年で日本を変える」と最初の道場でお聞きした時、身震いがして、いままでに感じたことのない気分の高揚がありました。

 こういう感覚というかスタンスというか、「そんなこと言ったって、どうせできないだろう?」と前なら思っていたであろうことが、門弟にもして頂き、「いやできるかもしれない!」「できるはず!」と思い、「俺にも何か役に立つことはないか?」と道場の回を重ねるごとに感じるようになりました。

 しかしながら、逆に回を重ねて行けば行くほど、自分が勉強させてもらっているばかりで、門弟として、今の自分でいいのか?役にはほとんど立っていないのではないか?とジレンマを感じておりました。

 そんなところで、今回のゴー宣道場選書P133?134のところで、「一つの目的は達したな。」という言葉は正直救われました。

 よしりん師範の言葉に必要以上に甘える気はないですが、なんだか心見透かされているかの様な気がした次第です。

  「遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん/遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動がるれ」

  よしりん師範、Wさんも取り上げられたこの言葉、大河ドラマ「平清盛」、大好きで毎週必ず見ていますが、本当に子供には救われます。

  師範の方々はじめ、道場運営に携わっておられる皆様、いつも本当に有難うございます。

  風情のある話、情感のあるもの言い、知性を感じる問いかけなど私にはできないですが、今まで以上に公論形成における一助となれるよう、私なりにない知恵は絞り、行動するつもりでございます。

 道場2年目を迎えるにあたり、この一年の私の道場で感じた思いと今後の所信として、投稿させていただきました。

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  小林さんが「あと三年で日本を変える」と道場で言ったことの真意、そしてそれがどの程度まで達成されたと認識しているのかが書かれたコラムには、私も「そうだったのか」と思い、Tさんのように、ちょっと救われた気になりました。


 次は神奈川県在住のMさん(男性)の3/20の投稿から。


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●「原発はヤバイ、核兵器は安全」をしっかり読みました。

  本当、第18回(本書収録の回)行けなくて残念だったなあ。と思います。

  つのださんのお話も、井上さんのお話も分かりやすく軍隊を持つことがどういうことか改めて理解が進みました。

  質問者のレベルが非常に高い回ですね。笹師範すげぇ。

  コラムにて、よしりん師範の「3年で日本を変える」の狙いがよく分かり、グローバリズムに対する懐疑が門弟の中では共有されてきたというのが凄い事だと思えましたし、政治家に変わってもらうためには自分達が変わらないといけないことも再確認しました。

  トッキーさんのブログにて、安倍元首相、麻生元首相ががっかりな発言をしていたことからも、もしも民主党への政権交代が無かったとしても、今後自民党に政権が戻ったとしても何にも変わらずTPPに突き進んでいくでしょうし、僕も国防の意識を持つことで、今いる政治家の方々に国防の意識を高めてもらうしかないのだなと思ったり。

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 「国体」というものと、ゴ―宣道場が目指す「公論」というもののの関係が、参加していく内、私にも徐々に共有されてきました。

 次回道場のテーマ『公民と国民、何が違うか??権力批判のすすめー』でも改めて問い直されるテーマだと思います。

楽しみですね!

 

 次は、福岡在住の40代Fさんの3/25の投稿です。


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●ゴー宣選書『なぜ「道場」なのか』の中で、道場生の成長が以下のように書かれています。

 『もうグローバリズムに対する反発心とか「こんなんでいいはずがない」っていう感覚、警戒心みたいなものが、参加者の間ですっかり芽生えてしまった。一年間たってみたらね。これはものすごい大成果だなと思ったよ、わし。』

 もしゴー宣道場に参加していなければ、きっといまだにTPPとは何かすらわからないまま、「参加しても何とかなるだろう」くらいに考えていたことでしょう。

 今はあたり前のような気がするけれど、TPP・皇位継承・原発・沖縄基地・アイヌ・チベット・SNSなど、様々な問題について知識を得、自分の意見が持てるのは、この2年道場に通った成果だと改めて感謝しています。

  自分の無力に不安を覚えて書いたアンケートに対しても、『いやもうそれだけで十分です!』と力強く断言して頂きました。

 道場の裾野を広げていく努力は決して無駄ではないと信じて、一人でも多く「公論」に関心を持ってもらえるよう、地道に動いてみたいと思います。

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 私自身、もし道場に参加していなかったら、TPPに関しても、SNSと同じで、グローバル化の必然という否応のない現象の一環としか捉えていなかったかもしれません。

 

 また政治家の中で、TPP・皇統問題・原発で三つとも小林さんと同じ意見の人が見当たらないというのは、それ自体がいまの時代の政治家のあり方を浮き彫りにしているような気がしています。

 
 

 その辺が次回の『権力批判のすすめ』という副題とも密接に絡んでいるのかもしれません!

 

 次は東京都在住、CGデザイナーKさんの3/23の投稿から。


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まず感じたのは、これは相当読みやすい形に工夫されているなと思いました。

 注釈がないので流れを止めずに読めます。

 議論の流れや、道場の雰囲気や、どういった場なのかを伝えることに注力されているように思いました。

 ただそういう作りをしていても核兵器の話題になると毎度政治的技術的に無理なんだから無理だとか、その筋道を示さないと無意味だとか否定する人がいるんですね。

 そこに至るまでの国民の相互理解が大事というのが明確に示されている本だと思うのですが・・・。

 楽しみにしていた書き下ろし部分については、まさか小林師範がソーシャルメディアの回でひとつの手応えを感じられていたとは思いませんでした。

 しかし僕自身はその時にグローバリズムへの懐疑を感じていたかというと、かなり薄かったと思います。

 アンケートにも「グローバリズムになってしまっている世界で生き残るのに有効なのは確かなのだから使えばいい」みたいなことを書きました。

 と言いつつ、実際は登録はしているもののほとんど活動してません。

 特にコミュニティ部分は全く興味なく、メール機能だけで充分事足りています。
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 この方はこの後、ご自分の労働の現場について書かれています。実力主義で、むしろ色んなところを渡り歩いていないと刀が錆びてしまうお仕事に就かれている方です。しかも現場が変わるたびに、自分の評価が問われる。

 

 常に緊張感にさらされている方だからこそ、グローバリズム礼賛でもなく、武器を持たない理想論でもない思考を、いつでも開始することが出来るのだろうかと思いました。

 

 これからも、ゴー宣道場選書を続けていければと思っています。

 しかし、そのためには、一冊一冊が勝負です。

  皆さま、ぜひ応援して下されば幸いです。

 

 葉書編、ツイッター編、インターネット編含め、皆さまから寄せられたご感想について、これからもまた、道場ブログで紹介させて頂きたいと思います。

  よろしくおねがいいたします。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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