『原発はヤバイ、核兵器は安全』。このタイトルが意味するものに、もし反対の立場を取るとしたら、次の3つの立場しかあり得ないでしょう。
1 原発も核兵器もいらない
2 原発は必要だが、核兵器はいらない
3 原発も核兵器も必要だ
1の立場の人は、たぶん平和の実現に関して理想主義。物騒なことは考えたくもないと、本書に対して基本的には「無関心」をアピールして批判の代わりにする。
この立場の人は本書のタイトルをツイッターなどで呆れたものであるかのように挙げるだけのことが多い。書評の文章で批判をするところまでも行きません。
2の立場の人は、現時点で本書に関してほとんどどこにも声を挙げていませんが、それも当然。要は、現状に対して、(積極的かどうかは別にして)容認的であればそのままこの立場になります。原発はあって核兵器がないのがいまの日本なのですから。
あえて言えばそれ以上考えたくない、考えてもしょうがないという、真の意味での無関心層ないしは諦観の持ち主が予想されます。
つまり、アマゾンなどで積極的にイチャモンを付けてくるのは、3の立場の人だけなのです。
要は、小林よしのりは弱腰だ、核兵器持つなら原発も覚悟せよ、放射能の害なんて気にしている奴はまともじゃない……という意見です。
しかしこれらの「積極的な意見」を言ってくる人は、実は本そのものを読んでないか、まともに読んでない人たちであることが丸わかりです。
原発というヒナをいくら後生大事に温めていても、核兵器にはならない……この小林さんの発言を受け止めた上でなければ、議論は積み上がってはいかないのではないでしょうか。
いまのままの日本では原発がある限り、核兵器を持てないのですから。
ここまで読んで、興味を持った方は、ゴー宣道場選書『原発はヤバイ、核兵器は安全』をぜひ直接読んでください。
いずれ来る「明日」の議論の前提に!