ゴー宣DOJO

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切通理作
2012.3.24 00:58

常に「テコ入れ」し続ける!

     

 昨日はゴー宣ネット道場の動画番組『切通理作のせつないかもしれない』の収録をして参りました。

 

 本の著者にゲストに来て頂いて、新刊があればその話題を中心に語らう番組です。
  https://www.gosen-dojo.com/?page_id=31

 

 いまUP中の最新の回は『真のひきこもり支援って何だろう?』と題し、『安心ひきこもりライフ』という本の著者・勝山実さんゲストの後編となっています。

 

 冷静で現実的な、現役のひきこもりの人によるひきこもり論です。

http://www.nicovideo.jp/watch/1331279859 

http://www.nicovideo.jp/watch/1331888617

 

 番組パートナーの女優・しじみさんは、当初「相槌の天才」として登場しましたが、いまでは「『脱』をめざさないひきこもり本なんて画期的ですね」などと本の核心を突く発言をし、全体を引っ張っていってくれています。

 

 写真家の照沼ファリーザさんのセルフヌード連載「七色浸食遊戯」が「わしズム」で好評連載中ですが、これもしじみさんの盟友であるファリーザさんが番組に出て頂いたことがひとつのきっかけでした。

 「七色浸食遊戯」の「浸食」の意味は、初登場時の『せつないかもしれない』をぜひ見て下さい! 

http://www.nicovideo.jp/watch/1310713568  http://www.nicovideo.jp/watch/1311309548 

 世界観を表す「名言」を本人が解説しています。

 

 番組でしじみさんを見て自分の映画『半分処女とゼロ男』のヒロインに抜擢したという佐藤佐吉監督に出て頂いたこともありましたし、ナント『せつないかもしれない』での共演を機に、映画監督の友松直之氏が、作家の中沢健さんを自分のVシネマ『レイプゾンビ』の男性側主役として抜擢するという椿事も起きました。

 

 先ごろ行われた『レイプゾンビ』のオールナイト先行上映の際は『せつないかもしれない』劇場版として僕も登壇させて頂き、満員の映画館でのトークの模様が以下の動画で見れます。

http://www.youtube.com/watch?v=QDUWDh3OUPg&feature=youtu.be
(上映イベント全体のまとめ映像ですので、作品からの抜粋場面等、一部健全な青少年には過激なものがあります。ご注意を!)

 

 数百人入る劇場でたくさんのお客さんに緊張してしまいましたが、考えてみれば、普段も実はこのぐらいの人たちは相手にしていることになります。

 

 ニコニコ動画のカウントでは、視聴者数がわかるのですが、多い時で一〇〇〇人ぐらいの人が見に来ます。

 

 これは、地上波テレビの視聴者数からすれば、ものの数でないかもしれません。

 

 しかし僕は、この種の動画番組というのは、映像はあるものの、画面的な変化を追うというよりは、話をじっくり聞くというもので、本の著者が新刊が出る時はよくやっている刊行記念トークショーに近いものと認識しています。

 

 刊行記念トークショーは、先行発売などで用意した本がそこでまとまって売れるという効果はありますが、よほど広い会場でなければ、せいぜい一〇〇人前後の人しかそこでの話題を共有することは出来ません。

 

 それに比べれば、動画での一〇〇〇人というのは、とても大きい数字だと思うのです。

 もちろん、動画の場合、全員が最後まで見てくれているかどうかはわかりません。

 

『せつないかもしれない』の場合、同じゲストの内容を基本的に前後編に分けてUPしているので、後編の視聴者数が、その目安になると思っています。

 前編が一〇〇〇人で後編が五〇〇人なら、半分の人は最後まで集中して聴いてくれているのではないかと。

 

 毎回の収録は、小林よしのりさんが監督として撮影に立ち合われています。

 

 そのことはゲストの方に依頼する時、最初にいつも断っているのです。

ところが、なぜか多くの人は、小林さん自身が撮影現場に来るとは思ってもみないらしく、当日収録の段になって「ドッキリ」みたいに動揺されます。

 

時には「事前に言って下さいよ。心の準備してきたのに」などと僕が責められたりもします。

 

 おそらく、あの忙しい小林よしのりさんが、自身の出ていない番組の撮影までいちいち立ち合っているとは、考えにくいからではないでしょうか。

 

 これは「わしズム」にも誤解としてあるかもしれません。いくら「責任編集・小林よしのり」と銘打ってあっても、ひとの原稿までいちいち見ていないのではないか……と思う人も多いのではないかと。

 

 小林さんは、自分の関わる媒体でのすべての要素に関わっています。

 それも、ただ立ち合っているだけではありません。

 

 動画でも、収録と収録の間で、「こういう話題を差しこんだ方がいい」「前半はここがちょっと先を急ぎ過ぎているので、もっと丁寧に」等、直接指導されます。また話題が華やぐ時は、小林さんや岸端さんの笑い声が響き、番組をテンション的に盛り上げます。ゲストや出演者が居易い雰囲気を作ってくれるのです。

 

 ひきこもりの勝山さんがゲストの時も「毎日の生活について話してほしい」「親との関係はどうなっているのか」「ひきこもりにとっての『安心』とは何かを知りたい」とリクエスト、後編では「大体『いいとも』が始まる前には起きますね」「お日さまっていいなって思います」「ある日、ドアがベルリンの壁のようにドーンと倒れてきました」などと貴重な発言を引き出しています。

 

 「わしズム」でも、面白いと思ったところを伸ばすようにテンションを上げてくれます。しかし迷走した時にはきちんと指摘されます。

 

 実は『わしズム』復刊号に今回掲載された私の原稿『切通理作のよーしゃないネタバレ!映画館』は、一度別内容で書いたものを、差し替えたというか、一から書き直したものです。

 

 最初に書いた原稿は、「前夜」の時に第一回を書いた『乙女エロ道入門』の第二回でした。

 言うに憚るので詳細は省きますが、エロの体験談というものは、品位を保つギリギリのストライクゾーンというものがあって、直接性をユーモアで緩和したりなど、球の投げ方に工夫が必要なんだということを学びました。

 

 今回私の投げた球はストライクゾーンから外れてしまったのです。

 正直言うと、自分自身「こんなことまで書いていいのかな」という内容だったので、掲載されなくてホッとした部分もあります。犯罪がバレずに済んだ子どものように。

 実は前回の原稿だって、自分的には「いいんだろうか」「これで堀辺先生も笹さんも、もう口をきいてくれなくなるのではないか」とヒヤヒヤものでした。

 

 そして今回の原稿は一転して映画評になったのですが、これも実は、ゴー宣道場で門弟となった人のメーリングリストというものがあって、そこでの僕の投稿に目を付けた小林さんが「あれが面白いから」と書くのを薦めてくださったのでした。

 

 僕は基本的にメーリングリストでは、門弟の皆さんの投稿は読んでいるものの、極力門弟同士の自然発生的な対話が生まれることを最優先しているのですが、時々、我慢できなくなって、「モノ申す」的に自分の意見を書き込んでしまいます。

 

 映画の話題になった時、『ALWAYS 3丁目の夕日’64』を、ベタな物語を語るうすっぺらなヒューマニズムだとある門弟の方が書いていて、それは個人の意見だからいいのですが、「自分は違う風に受け取った」という人が待てど暮らせど現われず、それどころか「ああいう映画はいかにダメか」という追い打ちをかけるような声のオンパレードになってしまったのです。誰も異論を言う人がいなかったのです。

 

 「いや、『3丁目の夕日’64』はそんな映画じゃない!」「もっとここを見ようよ。映画の中にちゃんと描かれてるじゃない!」とつい熱くなってしまって、後悔したのですが、小林さんから「わしは予告編見て『もう今回は見なくていい』と思って見なかったけれど、あの投稿読んで映画を見たくなった」とおっしゃっていただいたのです。

 


 そこで「『
ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズは『昔の人間は良かったという嘘物語』なのか?」「否、人間関係は作られたものだということを、引き受けている人たちの物語ではなかったのか」と、原稿として改めて書かせて頂くことになりました。

 

 原稿の表題ともなっている「時代の当事者である覚悟とは」というフレーズが出てきた時、僕の中で、小学館時代の「わしズム」に書かせて頂いた原稿が蘇りました。

 

 あの時はSFのアニメや特撮ものの中での「戦争」というお題の原稿だったのですが、そこで僕は、フィクションの中でさえ「特攻」が悪いことであるかのように扱われ、生死の中で己の覚悟が問われるという状況そのものが避けられていることを指摘しました。

 

 その原稿を書いた後、「わしズム」はいったん休刊期に入り、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの監督・山崎貴さんは『宇宙戦艦ヤマト』の実写版をキムタク主演で作ることになります。

 そして山崎監督は自身の手掛けた『ヤマト』において、昔のアニメ版の二作目『さらば宇宙戦艦ヤマト』のラストで論議になった「特攻」までをあえて含みこんだ作劇にして「死を前にした覚悟」から逃げない映画作りをしました。

 

 その経験が『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズにもフィードバックされているのではないかと僕は思ったのです。

 

 そこまで言及した原稿になれば、かつての「わしズム」と新しい「わしズム」の原稿の連続性も出せるのではないかと思った次第です。

 

 ゴー宣道場選書第一弾『原発はヤバイ、核兵器は安全』のコラムでも書かれてますが、小林さんは普段から門弟のメーリングリストにも目を通し、時に全体にフィードバックしているのです。

 

 ゴー宣道場それ自体もそうです。

 毎月、第一部と第二部の間の休憩時間には、「話はわかりやすいけれど解説みたいになって起伏がない。もっとエンターテインメントしなければ」など小林さんから意見が出され、進行しながらテコ入れしていくという神技を見せています。

 

 そして次回はなんと、パソコンで視聴している人たちともリアルタイムでやりとりすることに挑戦します。

 

次回

 4月8日(日)
「第24回 ゴー宣道場」
「女性宮家創設の今一つの危うさ」
 

いつも第一部のみ

ニコニコ動画で生中継をしていますが、

 

僕が議論の最中に

パソコンの画面を見ながら

画面の書き込みを

師範の皆様方、

会場の皆様の

進行に一部フィードバックしていただく予定です。

 

この道場HPのTOP画面右上にある予告画像での小林よしのり師範からの、

当日会場に来れないでネットで視聴する人への

「頼みごと」を見た方もいるでしょう。

 

「汚物をぶちまけるネトウヨに

対抗していただきたい。

 

全国の

『ゴーマニズム宣言』

の読者諸君のうち、

ネットを操れる者たちは、

3月21日発売の

「わしズム」復刊号を熟読して、

準備しておいてください。

 

そして

男系絶対固執の連中と

戦いを開始しようじゃないか」

(3月13日ブログ「『ゴー宣』ネットユーザーよ、戦いを開始しよう!」より)

 

一体どんなことになるのでしょうか?

予測がつかない

4月8日(日)「第24回ゴー宣道場」

    「女性宮家創設の今一つの危うさ」

 

 

もちろん、会場に来れる方は

現場ならではの息吹を見せてください!

 

応募要項は以下です。

 

 

入場料1000円。

 

 

 参加希望の方は往復はがきに、『第24回参加希望』と明記、

 

1. 氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名と続柄・関係など)

 

2. 住所

 

3. 電話番号

4. 年齢

5. 職業(学生の方は学校名)

6. 募集を知った媒体

7. 応募の理由と道場への期待

返信はがきの宛名には、ご自分の氏名・住所をご記入の上、

 

 

152-8799

 

東京都目黒区目黒本町1-15-16 目黒郵便局・局留め

 

『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端

 

まで、お送り下さい。

 

 

締め切りは、平成24年3/28(水)必着

まだ間に合います!

 

当選された方にのみ、返信はがきを送付致します。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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