2月19日、隙間を見つけて皇居坂下門に設けられた記帳所に赴き、謹んでお見舞い記帳をさせて頂いた。
最寄り駅から向かう途中、「観光客が随分いるなぁ」と感じていたが、その殆どの人が、記帳所を目指していたのには驚いた。
皇居外苑では、行きも帰りも人が途切れない。
被災地からも、多くの方が来られていたようだ。
老若男女様々な人が多数、来ていた。
一見して「右翼」という感じの人はいない。
記帳では出身の都道府県名と氏名のみを書く。
私の前の方は奈良県から来られていた。
後で聞いたところでは、私の京都の知人も、同じ日に上京していたらしい。
記帳した後、「やっとスッキリしたー」と声に出していた人がいた。
やや不謹慎な印象を与えかねない言い方だが、よほど陛下のお身体を案じていたのに違いない。
記帳したからといって、陛下のご快癒に直接、繋がるわけでは勿論ない。
それはご本人もよく分かっているはずだ。
それでも、居ても立ってもいれない気持ちで皇居まで来て、記帳を済ませると、ほんの少しだけ気が晴れたのだろう。
その気持ちは、私にもよく分かった。
震災後の陛下は「天皇は斯くあるべし」というお姿を、より鮮烈にお示しになって来られた。
そのお姿は、些か不穏当な表現を許して頂けば、殆ど死を賭しておられると申し上げても、敢えて過言ではなかろう。
私なぞは、その悲壮なご覚悟を拝し、涙ぐみそうになってしまう。
しかし、そうした感覚は、どうやら私だけのものではなかったようだ。
そうでなければ、この日、眼前に見た皇居の光景は、説明がつかないだろう。
陛下の1日も早いご本復を衷心より祈り上げる。
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