福島の知人から例年通り、お歳暮を送って頂いた。
ただそれだけのことが、心に沁みる。
今年は伊達鶏のローストチキンと伊達鶏のとりそばセット。
ローストチキンはまだ冷凍庫に入れたまま。
だから、見るからに美味しそうだが今のところ味は分からない。
でも、早速頂いたとりそばは実に美味しかった。
Sさん、お仕事も日々の生活も様々に大変な中、本当にありがとうございます。
数日後、今度は岩手から講演の依頼。
今年3月下旬に岩手で講演を予定していた。
だが、震災で中止に。
講演会場として予定されていた施設自体も、使用出来なくなったとか。
主催の関係者でも、連絡が取れない人がいると聞いた。
その同じ主催者で、来年の同じ3月下旬に、同じテーマで話をして欲しいと言う。
当日は、夕方から都内で講演の予定が、既に入っている。
だが岩手は昼間なので、無理なく応諾出来た。
もし同じ時間帯だったとしても、先約の関係者には申し訳ないが、岩手を優先したはずだ。
震災後、岩手から電話を頂いた時、事情を詳しくお話しになった後、
「先生にはご迷惑をお掛けしてまことに申し訳ありません。
でもこれは中止ではありません。
延期です。
ですから、改めてお願いした時はどうかお出まし下さい」とおっしゃっていた。
それを私は頭の中で勝手に「中止」と処理していた。
しかし、そうではなかった。
「今年の3月には先生に大変ご迷惑をお掛けしましたが…」とお電話を頂いた時、
こちらの方が遥かに「先約」だったと直ちに覚った。
私には何の迷惑も掛かってない。
にも拘らず、震災直後でまだ地元で相互の連絡も十分取れない最中に、
礼を尽くしたお詫びの電話を頂いた。
そして今、震災の痛手をなお抱えながら「延期」という約束を律儀に果たそうとされている。
固定電話の受話器を置いた後、思わず電話機に頭を下げたくなった。
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