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トッキー
2011.11.8 02:45政治・経済

「世界が認める」のワナ

先日、原発について、
ちょっとした意見のやりとりがありました。

私が原発事故に対する日本政府の
対応はひどすぎると言うと、
その人は、日本政府の対応は
「国際的な勧告」に従ったもので、
「このような対応は、各国で評価されている」
と反論しました。

そこで、「各国ってどこの国ですか?」
と問い返したところ、
「フランスや、原発のある国なら
大抵はそうではないですか」

という答えが帰ってきました。

私は、軽くめまいを感じました。

フランス国が、日本人の健康を
本気で心配すると
思っているのでしょうか?

世界一の原発国で、
原発ビジネスを輸出産業にしている
フランスとしては、福島の事故で
世界の潮流が「脱原発」に向かうことだけは、
何としても食い止めたい。

だから実態がどうであろうと、
「日本政府が適切に対応し、
事態は収束に向かっている」と
「評価」するのは当ったり前の話です。


原発推進国なら、
みんなそういう反応になるはずです。

なお、その人の言う
「国際的な勧告」を出している
ICRPという団体も、原発推進団体です。

ちょっと考えればわかる話なのに、
「世界が評価している」の一言で
思考停止してしまう。
これ、いかにも「他人の顔色」をうかがい、
「空気」で動く日本人ならではの反応です。

TPPにも全く同じことが言えます。

TPPは「多国間交渉」だといいますが、
現在の参加国に日本が加われば、
日米のGDPだけで9割を占めてしまう。
だからこれは
実質的には「日米交渉」だ
といくら言っても、
推進派には通じない。

確信犯は別として、何となくTPPに
参加した方がいいと思っている人は、
「多国間交渉」であるから、
交渉の席につかなければ
「世界に取り残される」というような、
強迫観念を漠然と抱いている人が
大部分であろうと思います。

五反分氏の言う、
「グローバル」「国際基準」「世界標準」
などの言葉が「思考停止」を呼ぶという指摘、
これはかなり日本人の国民性に
深く根ざしているのかもしれません。

そして、もしもアメリカが
そんな日本人の国民性まで研究した上で、
韓国にはFTAの2国間交渉だったのに対し、
日本にはTPPという「カムフラージュ多国間交渉」
を仕掛けてきたのだとしたら…

そう考えると、空恐ろしくなります。
アメリカの戦略性にも、
日本の無防備さにも。
トッキー

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