はーい
よしりん先生が
来てくれましたよー
就職の相談に乗ってくれています。
「豊かな可能性を感じさせる女性だ」
と評してくれました。
受けたい会社があるそうです。
健闘を祈ります。
心配するはめになってしまいました。
さて、高森師範は
『新卒』の求人倍率が4倍以上ある」
『「若者はかわいそう」論のウソ』 の議論を基に、
高森さんが今年度のデータから
発言したものです。
海老原著書自体の記述は、
昨年度のデータから
「1000人未満の企業で3.63倍」
というものでした。
実はこれも
悪質な「数字のトリック」がある話です。
そもそも、
よく言われる 「求人数」 とは、
「必ず採用する人数」 ではありません
一応求人はするが、人材がいなければ、
募集人員を満たさなくても求人を打ち切る、
もしくは全く採用しないこともある、
そういう前提で企業が出した数字の統計です。
今や就活の現場では
「厳選採用」という言葉が
定着しています。
新卒者を大量に採用し、
じっくり育てることをやめ、
即戦力となりうる人材しか
採らなくなっているのです。
これは、道場のその場で
わしが高森氏に反論して
言ったとおりです。
大卒・大学院卒に対する
求人数は72万5300人 。
大卒・大学院卒の総数は、
61万4000人 でした。
数字だけ見れば、
十分卒業生全員が就職できる、
むしろ「売り手市場」だったとも言えます。
ところが、
実際の就職者総数は、
38万1000人 だったのです
わかりますか?
求人数の 52.5% しか、
企業は採用しなかったのです
人材を育てる余裕がない中小企業において、
より顕著に表れているのです
日本の企業の99.7%は中小企業ですから、
大企業よりも中小企業の方が
求人数はケタ外れに多くなり、
一見「広き門」のように映るのは当たり前。
しかし、繰り返しますが
「求人数」とは
「確実採用数」ではありません。
「景気動向」を計るためのデータ です。
景気が良くなれば求人数は増加し、
悪くなれば減る。
それを測定するものです。
「中小企業の求人倍率は4倍以上ある」
と言っても、データを正確に
読んだことにはなりません。
前年度以前と比較しなければならないのです。
「今年度のデータだけ取り出す」
これが今回の「データ隠し」のトリックです。
求人倍率は
中企業(従業員300から999人) 1.00倍
ここまでは高森氏が
「ゴー宣道場」で発表した通りです。
中企業 1.51倍
昨年度よりも今年度の方が、
中小企業の就職ははるかに厳しいのです
平成19年度はというと・・・
中企業 4.16倍
「今年度の中小企業の求人倍率は4倍超」とは、
「選り好みしなければ職はいくらでもある」
というデータではありません。
中小企業においても、
就職は非常に厳しい状況に
なっているというデータなのです
「大学新卒者に対し、
中小企業のホワイトカラーの需要は、
まだまだそれを上回る状況」など、
どこにもないのです
海老原嗣生という人は、
リクルートワークスなどでキャリアを積んだ、
雇用のプロと言われる人です。
その人がこんなデータの読み方を知らないはずがない。
「海老原氏は一方で、従来、高卒者の受け皿に
なって来たブルーカラー、建設業、農林業、
自営業などの求人が激減している問題を、
いち早く指摘されている」
と擁護しています。
「就職難は、大学生が6割も増えたから」という珍説に対し、
「それならその6割が高卒だったら就職できたのか?」
という当然のツッコミがくることをあらかじめ想定し、
先回りして触れているだけです。
高卒ブルーカラー職の激減への対策を
考察するような部分は全くなく、結論部分では、
高卒ブルーカラーの問題を忘れ去って
「外国人労働者」の受け入れを提言する という、
デタラメな有様になっています。
若者はやはり産業構造の急変による
被害を受けているのです。
今は既得権益者になった世代が、
若者に叱咤激励するよりも、
このような社会の変化を
「セロン」 に惑わされず
しっかり見抜くことからしか、
「公論」 は創れません。
和尚の説法を聞きたいなら
お寺に行ってください。
「諸行無常」と言ってくれますよ。
「ゴー宣道場」はそういう場ではない。
「セロン」の嘘を見抜いて、
「公論」を創り上げ、
社会を、国家を変革していく覚悟が
問われる場です。
そして一回でも参加して
道場の趣旨に共感してくれた人たちに、
「わしは本気なんですよ」
と言っておきます。