ゴー宣DOJO

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切通理作
2010.11.29 23:21

『臨死!江古田ちゃん』の作者・瀧波ユカリさんをゲストに迎えて

   ネットと本屋さんをつなぐ読書番組「せつないかもしれない」では、講談社の月刊アフタヌーンに連載中の人気漫画『臨死!江古田ちゃん』の作者・瀧波ユカリさんへ二カ月にわたりラブコールをし続け、ついに産休中の瀧波さんにおいでいただけました。
  http://www.nicovideo.jp/watch/1291029490

  本当にうれしく思います。

  先月からUPされている第11回の時のラブコール編では、江古田ちゃんは言葉で説明しきれる作品ではないな、 と、私も番組パートナーのしじみさんも表現力不足に自ら心が折れてしまう展開になりました、これも無事、ご本人登場の時の話題の伏線になりました!

 この作品の愛読者なら誰も持つであろう、主人公の江古田ちゃんと作者の瀧波さんはどのぐらい似ているのか?という疑問にも答えていただきました。
 これって、実はゴー宣における漫画の中の「よしりん」と、実際の小林よしのりさんの関係にも通じている問いかけでは?と思う方もいるかもしれません。実は瀧波さんは中学の時ゴー宣を読み、多感な時期に影響を受けたそうです。

 『臨死!江古田ちゃん』はオトナ顔の24歳の女性主人公、世の、無意識を装って男を利用する「カワイイ」女の子や、夢ばかり語り何もしない同世代の男の子などに鋭いツッコミを入れる漫画でもあります。
 江古田ちゃんの働くフィリピンパブや派遣労働の現場などに、作者の鋭い社会への視線見え隠れしますし、イランやアメリカなど異国から来た登場人物を交え、日本人どうしだけでは見えないものを提示しています。
 ある意味日常版ゴー宣といえるかもしれません。
 生身の現実をフィクションに見出したくない若いオタク読者からは支持少なく、女性読者や、昭和を知っている年代の男性読者に人気高いようです。

 「わしもいまのオタク向け漫画は好かん」
  江古田ちゃんのネーム(文字部分)の多さに感嘆した小林さんは、同じギャグ漫画というジャンルの最前線で戦っていることと、ギャグだけに収まらない作家としてのあり方に共感されていました。

 「感性だけで描いてるギャグ漫画家は長続きせん。瀧波さんはそれだけではない」。
  動画からも瀧波さんのプロ意識伝わってくると思います。
  
  今回、次回とぜひご覧下されば幸いです!

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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