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高森明勅
2010.5.29 03:44

旧宮家系国民男子の皇籍取得 2

先に見たように、旧宮家系国民男子の皇籍取得によって男系限定を維持するのは、現実的にはなかなか困難なようだ。

しかも、さらにこんな困難さが加わる。

それは、新たに皇族になって頂くのであれば当然、ただご本人が「希望している」とか「覚悟を持った」だけで、無条件に皇籍を取得できるという話にはならないーーということ。

竹田恒秦氏も「私自身、自分は皇族に復帰する人物として相応しくないと思っている」(前出)と述べておられるように(それが謙遜か事実かはともかく)、皇室の尊厳を担うに足る資質や経歴などの条件をクリアしていることが、欠かせない。

この点も考慮すると、4、5の宮家を新しく確保するのは一層、難しいと言うほかない。

その上で、もし4、5の宮家をめでたく一旦は確保できたとしても、その数を以後も「つねに」維持するのは至難だ。

(つづく)

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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