東京新聞の記事に掲載された、額賀衆院議長の発言を読んで、暗澹たる気持ちになってしまいました。
問題部分を引用します。
秋篠宮さまが2024年11月、「皇族は生身の人間」とした上で「宮内庁のしかるべき人たちは、該当する皇族がどういう考えを持っているか理解し、知っておく必要がある」などと発言されたことについて、額賀氏は「私たちに向けた発言とは思っていないが、どんな意味なのか、事実関係を知り、今後の議論の方向性が間違わないようにすることが大切」と述べた。
まず、本気で「私たちに向けた発言とは思っていない」としたら、額賀議長は驚愕するレベルで思慮と想像力の無い人物という事になります。
政治的発言の一切許されないお立場である皇族が、直接「私たち」(政治家)に向けた発言をできるはずが無いじゃないか!
その状況下で、当事者であるのに一切の直接発信ができないご自身の意思を少しでも示すギリギリの手段が「宮内庁のしかるべき人」を通じた形。よって、あのご発言は実質的に政治家に向けられたものと考えるのが当然です。
もし「本気で」これがわからなかったとしたら、そんな人を大切な議論の議長なんかにしてはいけません。
そして、「わかった上で」言ってるとしても、「私たちに向けた発言とは思っていない」ってすごく余計な言葉です。無難に返すなら「どんな意味なのか、事実関係を知り、今後の議論の方向性が間違わないようにすることが大切」の部分だけで充分なのですから。
だとすると、「私たちに向けた発言とは思っていない」の部分は、「口をはさむな!」という、権力側からの牽制・恫喝とさえ捉えられてしまいます。
どちらにせよ、皇族というお立場への想像力や苦悩への共感を著しく欠いた行いです。
これこそがまさに「皇室いじめ」なんじゃないですか?
男系男子固執者だけでなく、愛子さまの立太子を支持すると言っていても、秋篠宮家の皆様や上皇ご夫妻などに狂気じみたレベルの罵詈雑言を投げる者もいます。
国民と皇室の相思相愛を阻害する、精神の貧困と劣化という観点では、額賀発言も、ネットを漂うヘイトも同列です。
テンプレ的な男系男子固執はただストレートにバカだと思いますが、未来に渡る安定した皇位継承の実現には、こうした精神性の落とす影も非常に深刻であると思わざるを得ません。