国連の女性差別撤廃委員会が、皇室典範について勧告したことに対して、「うちが支払った拠出金を使うな」という対抗措置を発表した件。
カネで威圧するようなことしていいのかという国内の反論に対して、岩谷外務大臣が、「経済的威圧という御指摘は当たらない」なんて言っていた。
えっ、経済的威圧じゃないの? じゃあ一体なんなの?
自分で女子差別撤廃条約に批准して、自分で拠出金を支払っておいてから、
「うちに都合の悪いことを言うんだったら、渡したあのカネは使うんじゃねえよ!」
と言ったわけですよね?
私には、ダサさとケチくささが最高潮に達した、肝の小さい奴が、めちゃくちゃイキって、でも言い返す適切な言葉がないから、カネにモノ言わせてマウントとってやろうとしているようにしか見えないです。
しかも、そもそも日本の拠出金は、少なくとも2005年以来、委員会には使われていないそうです。
現実的になんの“対抗”にもなっていないことを言って、
「やっぱり日本って、超絶な男尊女卑の国なんだね。しかもケチでダっサい」
と思われただけ。明らかにマイナスでしかありません。
そもそも、「カネを使うな」と言ったときの理屈がすごい。
「皇位につく資格は基本的人権に含まれていない」
秋篠宮さまが「皇族は生身の人間」とおっしゃったのは、つい最近のことですけど、もう忘れてしまったんでしょうか?
直接的には、佳子さまが思い浮かばれる話だったかもしれませんが、天皇、皇族を「人権の飛び地」と勝手に規定した、いち憲法学者の勝手な解釈を利用して、「皇族に対してなにをしたってかまわない」ということになってしまっている状況に対して、一石を投じるお言葉でもあった。
それについて、政府は、咀嚼して理解しようという姿勢がないのでしょうか?
政府の一連の言動は、「外圧への対抗」なんてカッコつけておきながら、実際には、
「今こそ、世界に日本の男尊女卑を見せつけるときだ!」
「男の血を尊重できないなら、皇室は滅んでいい!」
という、なりふり構わない、客観性皆無の、みっともなさの発露にすぎません。