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2025.1.12 07:00ゴー宣道場

今と昔、カルトとペテンに騙される人と騙す詐欺師達の共通点をご紹介致します。

皆様、こんにちは!DOJOサポーターのゲリラ工作員もどきのイノシシ婦女子、ランランと申します。

昨今、色々な詐欺が流行し、皇位継承問題にも有象無象の詐欺師(Y染色体絶対論者や、男尊女卑ダダ漏れの、自分が一番の上から目線の男系崇拝の輩など)がはびこっています。
彼らに騙されるのは何でだろう?と常々考えますが、その中で昔、海軍上層部の山本五十六長官や大西瀧治郎氏を巻き込んだ、“水から石油(ガソリン)事件”があったと知り、調べていくと騙す人の特徴と騙された人の特徴が今の色々な詐欺師達とそれに騙される人達の共通点に気づき、水から石油(ガソリン)事件をご紹介したく思います。

“水から石油(ガソリン)事件”とは、簡単に言うと1938年(昭和13年)に海軍上層部の大西瀧治郎氏や山本五十六長官含む上層部に接触し、自称「町の発明家」本多維富が、詐欺しようとした事件の事です。
本多いわく、「水からガソリンを作ることができる!つまり、水があれば最強!石油無くても造り放題!これで国の問題解決の、未曾有の発明!」とうたっていたそうで、今の現代人の感覚でも、胡散臭さが嗅ぎ取れる売り文句ですが、当時の大西瀧治郎氏含む上層部の人達は信じ込み、大体的に実験検証して本格的に取り込もうとしてました。

信じ込んだきっかけは、知識人として有名な人のお墨付きと紹介、そしてその場で実験して水から石油を造り出すところを観せ、希望を持たせたからです。最初は恐らく、そんな馬鹿なと思っていても、目の前で実験にて、石油が出来た(と思わせる)のを観せられると、自分の目と耳で直に感じた事ゆえ、信じるに値すると納得しやすくなる心理をついたペテン師御用達の手法の一つと思われます。

後は根がお人好し、人を疑うのが苦手な人や軋轢を避けるタイプ、インテリやブランド(学歴、職歴、知名度)に弱い権威主義者や頭でっかちな人達が騙されやすい特徴に挙がります。この時、冷静に待ったをかけた軍人もいて、軍需局課長・燃料局部長柳原博光少将が、それが詐欺行為ということを見抜いて、軍需局では取り上げるべきではないと大西瀧治郎氏に訴えました。(昔、西洋で錬金術師が大鍋に色々入れて、賢者の石又金を造れます!と城主や貴族に売り込みペテンしたというのと同じ臭いがします。)

しかし、航空本部主導で実験が強行実施され、1939年(昭和14年)1月に大西氏を長とする30名の調査団の立ち合いの下、航空本部の地下室で実験が開始されました。
この時、本多氏の挙動不審が始まり、実験当日、本多氏が姿を現さず、問い合わせると、実験に向かう途中、暴漢に襲われてケガしたとあり、実験を延期させ、実験は本多の弟子がやる事になりました。

その中で、立ち上った技師官いわく、素人目でも”あんた本当に科学者の弟子ですか?”と疑うほどの振る舞いがあり、操作法は極めて非科学的で、加温は広口の土鍋を使用し、温度は寒暖計を使わず手指をつけて計ったり、薬品の添加も耳かき何杯というふうであったそうです。
既に怪しさが十分ですが、途中本多氏が合流するも、本多氏の様子がおかしくなり、気分良くないと休憩したり、ついにはトイレに駆け込んで激しく吐血し、顔面が蒼白となっていたそうです。
騙すプレッシャーに押し潰されたのでしょうか。

医者からこれ以上やると命に関わるとなり、一回めの実験は不成功になりました。しかし、石川信吾という軍人がまだこのペテン師に騙されていたのか、大西瀧治郎氏に”この発明はインチキではなく真実であるのは間違いない、私は信じています”、”確かに似たような実験で失敗ありましたが、しかしこれまであちこちで実験して成功しています。現場にいて実際に見た者もたくさんいる、インチキと言うのならどこがインチキなのかはっきりさせてほしい”とのたまったそうです。

こうして立ち合い実験再開されるも、最終工程で不振な動きが観られ、手伝っていた人も、ここから先は本多先生じゃないと出来ないと匙を投げ、病院にいる本多氏に参加を求めるも、渋り続け、大西氏に”お前が実験して水から石油造る!と言った事だろうが!と本多氏を担架で来させると、本多氏は何度か倒れこみ、一旦中止になりました。

詐欺師の特徴の一つに、都合が悪くなると逃げる算段を立て、周りから観て不誠実な振る舞いが顕著にあります。大西瀧治郎氏も最初は惚れ込んでいたのですが、本多氏の様子を観る内に段々、おかしいぞ?と気づき、こいつは信用ならんとハッとします。その時、大西瀧治郎氏が気づいたのは、実験出来ると推薦された人が、全然自信が無く、本多氏いわく、暴漢に襲われて石を投げられ、頭に内出血があると言っていたが、見た感じ何にも外傷はないとあり、また、何度も倒れ込んでいた瀕死状態だった本多氏が、帰るとなると、自分からスタスタ歩き自動車に普通に乗っていた事からだそうです。

既に怪しまれている本多氏ですが、後日の実験では試験管を入れ替えて石油が出来た!と喜ぶパフォーマンスで何とか切り抜けようとしましたが、
全ての試験管をマークされ、有るはずの試験管が無く、無かったはずの試験管が有り、ついにお縄につきました。

以上が水から石油(ガソリン)事件の大体のあらましでございます。
この件から観ても、この本多氏と騙された軍人の特徴から昨今の詐欺師達と騙された(騙されている)人の共通点が観られます。
ペテンを破るには目の前で事を突き詰め、提示し、周囲に情報開示して証人となってもらい逃げ道を塞ぎ叩きのめす事が肝要と思いました。
皆さまも、怪しい話にはご注意して観て頂けると詐欺師に引っかからないと思いますゆえ、この話が御役に立てれば幸いです。

以上です、如何でしょうか。

 


 

 

もちろん「水からガソリン」詐欺に騙されかけた当時の海軍上層部と、「宮さま詐欺」に引っかかっている現在の男系カルト連中を同列に並べることはできません。

しかし、詐欺師というものは、国の存亡がかかっているような事態であろうと、それを平然と食い物にしようとしてくるし、そういう輩はどこにでも現れるものだということは心しておかなければならないと思います。

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