ゴー宣DOJO

BLOGブログ
笹幸恵
2024.12.20 01:45日々の出来事

『SPA!』倉山記事、うんちくマウント沼の無限ループ

『SPA!』12/24号の倉山記事。
今回は韓国・尹大統領が12/3夜に宣布した「非常戒厳」について。

「6時間で腰砕け。なぜ成功すると思った?」
「あっさり6時間で解除。何がしたかったのか???」

相変わらず全体の論理構成ができていないから、
二度も同じ問いを立てている。
「何がしたかったのか」と問いを立てるなら、
「(尹大統領が何をしたかったのかについて)私はこう考える」と、
自分なりの見解を示すのが論理展開としては正しい。
が、兵庫県知事選のときと同じ、
自分の考えは一切示さない(示せない)。

(参考)
『SPA!』倉山記事ー中身が空っぽだから鎧で固める。

やることといえば、うんちくマウントで字数を埋めることだけ。

「そもそも戒厳令とは…」
「軍刑法とは…」
「韓国憲法の教科書には…」
「韓国の戒厳には二種類あって…」

この程度のことなら、今どきAIが答えてくれるんじゃない?
なのに倉山ときたら、
「戒厳令とは何かを知らない人が多い」だの、
「辞書的には〜〜だが、これでわかれば天才だ」だの、
無駄な上から目線を惜しげもなく披露する。
「これでわかれば天才だ」なんて言うけど、
それをよりわかりやすく説明できる俺はもっと天才だ
ってことを言いたいんでしょ?
中二病レベルのマウンティング、いい大人が本当にみっともない。

で、これでもか、これでもかとうんちくを披露するけど、
なかなか自分が立てた問いは解決しない。
だからまた問うている。

「尹大統領は検察官出身の法律家で、この程度の事は
熟知しているはずである。何を血迷ったのか?」

ここまでくると、もはや失笑。
問い→うんちく→問い→うんちく→問い→うんちく。
永遠に答えは出ない。
うんちくマウント沼の無限ループである。


尹大統領の立場に立って考えてみる、想像してみる、
たったそれだけのことで、なにがしかは言えるでしょうに。
想像の域を出ないなら、リサーチすれば多少なりとも書けるでしょうに。
言論ではなくマウンティングを目的としている限り、
そしてマウンティングには表層的なうんちくが有効だと勘違いしている限り、
何をテーマに取り上げても無限ループは続く。
こんなものを読ませられる読者の身になれ(その想像力もないだろうが)。


最後に、韓国のこの騒動に関する日本の対応について述べている。

「マトモな報道もなされず、外務省ホームページも平時のまま。
見切っていたわけではあるまい。反省点は多い」

おおお、この「反省点」とやらが、真に大事ことだと思うよ?
反省点って、報道に関して? 外務省に関して?
それとも記事で縷々述べてきた我が国の憲法体系について?
「反省点は多い」って、このひと言でわかれば天才だ。
さあ、もっと天才であるはずの倉山クン、今こそ出番だよ!
ここを詳しく書いて、問題提起しなきゃ。
書けないからってうやむやにして終わりにしちゃダメだよ!

…と、私が編集者なら、必ずこう言ってあげると思う。


しかしね、ハングパーラメント(絶対多数党不在議会)を
毎週連呼するのはどうかと思うよ。
今週も韓国の国会を「ハングパーラメント」と称している。
が、その直後にこう書いている。

「もっとも、大統領制の国は、議会で与党が多数を占めるのを
前提としていないのでハングパーラメントとは呼ばない」

なんじゃ、そりゃ!!!!
バカの一つ覚えであることを自ら露呈。

この人に知性はあるのか。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

次回の開催予定

INFORMATIONお知らせ