昨日の、あまりに恣意的な読売新聞社説へのカウンターのように、本日の毎日新聞社説が国連の女性差別撤廃委員会からの勧告を取り上げています。
内容は、全国紙の社説とは思えないレベルで感情的だった読売とは対極の、「普通の社説」となっています。
皇統問題に関する記述は次の通り。
委員会は今回、皇位継承を男系男子に限る皇室典範に言及し、条約の理念と相いれないとして、改正を勧告した。政府は「国家の基本に関わる事項だ」として抗議したが、安定的な皇位の継承は喫緊の課題である。国会が主体的に議論を進めなければならない。
憲法は、条約や国際法規の誠実な順守を求めている。女性の人権を守り、差別を根絶する責任を国は果たすべきだ。
正直それほど突っ込んでいるわけでもなく、全然当たり前の事を言っているだけなのですが、昨日の読売社説や、松原仁のような無知・無見識な議員の放言などを見ていると、この程度の内容でも素晴らしいバランスに見えてしまう所に「日本、大丈夫か…」と思わざるを得ません。
なお、もう一点毎日社説で目に止まった部分が。
選択的夫婦別姓の実現は2003年から求められており、今回で4度目だ。いまだに民法などが改正されていないのは、条約の趣旨をないがしろにしていると言わざるを得ない。
選択的夫婦別姓に関しては、もう20年以上もスルーしているんですね。
そこまで内容を承服できない条約だったら、選挙で堂々と「女子差別撤廃条約からの脱退」を公約にして国民の信を問えば良いのに。
ちなみにアメリカは、国内法が条約に制約されることを上院が拒否して、この条約を批准していません。
皇室典範の「男系男子」記載が本当に国の根幹に関わる事なのであれば、日本は最初からこの条約に入ってはいけないはずです(イコール、批准した1980年代には男系男子固執のイデオロギーが今のように頑迷では無かったんですよ)。
戦争論の第1章でも述べられているように、(条約を含む)外交は戦争と同じ直線上に位置するもの。
批准しておきながらご都合主義で破るのは、例えば大戦末期のソ連が日ソ中立条約を破棄して日本を攻撃した事などと、不義という点では全く同種の行いをしている事になります。
政府や、おそらく「ウケ狙い」で勇ましい事を叫ぶ松原仁などの議員、読売や夕刊フジなどのメディアは、その主張が「戦争と同じレイヤー上」にある事を覚悟した上で喧伝しているのでしょうか?(1000%違うな)。
結局は国内で虚勢を張るだけの内弁慶にすぎない「ネトウヨ的愛国」は、お花畑サヨクと何ら変わらない、戦後民主主義による双子の片割れでしかありません。
「世界に向けた日本の意思」として「愛子皇太子」をしっかりと宣言したいです!