FLASH9月24日・10月1日合併号掲載、
『夫婦の絆』第18話
感想ご紹介です!!
【リカオンさん】
夫婦の絆 第18話の感想です。
母親の登場で一郎の記憶喪失が解除された今号。
一郎の父親は桂春団治もビックリの自由人で、母親を苦しめていたという。母親は苦しみの末駆け落ちしたが、それは一郎にとっては母親に捨てられた喪失感となる。
女を分け隔てなく愛するという一郎の父親の目は虚無に支配されたブラックホールだ。女しか人生の楽しみはないと言うのは、他に人生の喜びを見出せない事を示しているのだろう。
両親の記憶の蘇った一郎は、記憶喪失の時とは打って変わってギラついている。そして「勝手に死にやがってーっ!」と沙耶の亡霊に向かってなじる。なんてひどい台詞なのか。沙耶の悲しみを共感できないのか。男性と女性というものはこんなにも分かり合えないものなのかと絶望を感じる。
一方の沙耶は怒り狂い、ルサンチマンの巨人となる。女を喰い物にする男とルサンチマンの巨人とのわやくちゃな地獄絵図は、現在に置き換える事ができるのでは?
ルサンチマンは時間を遡って過去を断罪し、とどまる事なく巨大化していく。スカイツリーを凌駕しそうな沙耶はその暗喩か。我々は未来の人々にいつ吊し上げられるか怯えて暮らさねばならぬのか。
男から女へ、女から男へと嫉妬や喪失感の輪廻は終わる事がない。この円環を断ち切れるのは「愛は人を癒やし、愛は必ず人を変える!」と信じる蜜子にしかできない。
フルスピードでクライマックスへ向かうのが惜しくもあり、淋しさを感じますが、この地獄を救うために蜜子がどんな愛を捧げ解決させるのか、楽しみにしております。
【くぁんさん】
今回の『夫婦の絆』は、なんだかとっても哀しかったぁ〜。
沙耶は、もはや”いらない存在”と化してしまった。”偽善”という最も悪い存在になってしまったようで、これを”何かの意図(宇宙の摂理みたいなものか?)”が蜜子という”生き霊”で退治しようとしてるかのような不安感を覚えます。
でも、蜜子しか沙耶を成仏させてやれないだろうし、見たくはないけど、やらなきゃならない”愛の試練”のような気もする。
蜜子が知りたい愛は、沙耶にお膳立てされた「夫婦の絆」では味わえないだろう。人が人を操作しようなんて、思い上がりも甚だしいことなんだよな。
蜜子が言うように、人を自由たらしめる束縛とは、ルサンチマンではなくて、こういった”煩わしさ”なのかもしれない。
一郎はそれこそ、蜜子との絆、愛でもって”捨てた女”も”重婚パパ”ともいずれ、心の折り合いはつけられると思う。
行けー!蜜子ー!沙耶を成仏させてやってくれー(泣)!!
読む人によって印象が相当に違っている感もありますが、
地獄絵図のスペクタクルへと突入してきたこの物語、
カタストロフィの結末を回避できるか否かは
蜜子の愛にかかっているのではという予感は
多くの人が持っているようです。
さて、果たしてどうなるのか?
祈るような気持ちで次回を待ちましょう!
次回は10月8日発売号に掲載です!!