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トッキー
2024.7.11 10:21お知らせ

「夫婦の絆」という作品はパラダイム転換を伴う、壮大な実験といえる!

リカオンさん
『夫婦の絆』感想と感想追記を、
一挙ご紹介します!

 


 

夫婦の絆の感想です。

蜜子と一郎の会話はとても素敵だった。
あれだけ女性に対して自分勝手なセクハラをさんざんして来た男が過去を忘れて未来を語るなんて、普通だったら勝手すぎるはずなのだが魅了されるのは何故だろう。

ルサンチマンと忘却との対比を沙耶と一郎に体現させている。
ルサンチマンの蓄積は破滅への一本道。まさに沙耶の今の姿だ。ヒステリックフェミが陥っているのもそれだ。これは、私自身の姿であるかも知れない。

さんざん男性から差別を受けると女性はルサンチマンに陥ってしまうのだ。それを極めると女である事の否定に走る。沙耶に至ってはもはや自分の存在まで否定し消し去ってしまった。

自分に置き換えてみたらどうだろう。いっそできる限り男性の力を借りずにどこまでやれるのか若い時に自分に問うた。
女性である事を後悔しない人生にしようと自分に誓った。

それでも頻度の差は少なくなったとはいえ、今でも時折男性から差別にあえば心の底からルサンチマンは顔をのぞかして来る。

時には差別して来た男性ではないのに当たって嫌味を言ってしまう。これは良くない。単なる男性への甘えだ。
嫌味を言われた男性は嫌な気持ちになったろう。彼は悪くないのだ。せっかく女性の立場を理解をしてくれている人間なのだから大切にしなくてはいけないのだ。

失せろルサンチマン。ルサンチマンを拗らせて、草津の町長を世界に向かって貶めた上に謝罪をしないってどこまでも酷くないか?
それがヒステリックフェミの正体だ。
いつまでも虐められた事の仕返しに終始して、そこから抜け出せないのも単なる壺の中の堂々巡りに過ぎない。

なにしろ結婚や子ども持つ事まで恐れる人が増えてしまった。
我々は男女差別を乗り越えて、次の段階として男と女の新しい関係を築かねばならないのだ。それは信頼関係なのか愛情関係なのか新たな絆なのか分からないけれど。

一郎と蜜子がやっと振り出しに戻り、夫婦の絆を深めようとしている。あらゆる困難を跳ね除け、何にも負けぬ絆をどうか獲得して欲しい。

できれば結婚も子育てもおびえてできなくなってしまった現代の若者達へ、小林先生からそんな事はないと伝える贈り物になるような、そんな結末へ向かって欲しい。

次回を楽しみにしております。

 

・・・・・・・・・・・

 

夫婦の絆の感想
追記

女性の地位向上に関する記事のヤフコメなどを読んでいると、相変わらずコメントがパターン化されているように見える。ジェンダー平等の基準がおかしいのではないかとか、海外のサヨクに合わせた考え方だとか、なんだか壺の中で罵り合ってグルグル回っているようなのだ。

これを飛び出して男と女のお互いを再構築する必要があるのではないのか。身近で案外簡単な事なのかも知れない。
この一郎と蜜子の組み合わせはものすごい暗喩に満ちたものに思える。

沙耶から見れば一郎は美人に対しては性欲を満たし、蜜子には家政婦を要求するただただ女を利用するだけの女の敵に見える。であるから記憶を消して矯正しなければならない対象だ。過去をキャンセルするのだからキャンセルカルチャーの暗喩とも言える。

蜜子は男性よりもパワーがあるが、醜い姿をしていると自分の姿に自信がないが、ウブで健気だ。彼女は一郎に魅了される。沙耶から見たら蜜子は男に騙される愚か者でしかない。

一郎は常に未来を見ていてむしろ過去を忘れても良いと考える。男女が結ばれると思った時、この幸せが永遠に続くと感じるあの瞬間に通ずる。

この同じ一郎という男性を見ていても沙耶と蜜子で真逆の評価をしている事は何を意味するのか。
沙耶の感じ方はフェミニストが男性に対して感じ方そのものを表している。(だから彼女の無念さ悲しみを男性の皆さんはとくと感じいって欲しい)
沙耶から見たらお人好しにも見え男に利用されてしまうと映る蜜子の感性は、男女の関係を再構築する鍵なのだ。これは重要な事と思うが、そんな女性を男性はまた利用尽くしたら元の木阿弥に戻るので注意を要する。

一郎の記憶が戻るという事の意味については、例えば記憶が無い一郎は令和の価値観の男性で、記憶が戻ると昭和の価値観の男性の暗喩ともとれる。
同じ日本男性を見て、見方、感じ方でこんなにも変わってくるのだと。
先生はここでも価値観(男性への見方、女性への見方)の転換を求めているのでは?

つまりこの「夫婦の絆」という作品は異常天才ピカレスクロマンの形態を取りながら、昭和の価値観の男性がフェミニストやキャンセルカルチャー、ポリコレを乗り越えて醜女と愛の絆を獲得できるかという壮大な実験と言える。それにはパラダイムの転換を伴うのだと。それはやはり男女の分断が進み結婚すら諦めている日本人に小林先生から贈ろうとされている作品のように見えるのだ。

 

 


 

 

凄いです! もはや感想の域を超えて、立派な評論になってます!
世の中の漫画評論家に、これだけの分析・論評が書ける人がいるでしょうか?
本当はいてほしいんですけど、今のところ『夫婦の絆』を評論する記事もほとんど見ないというのが現状ですねえ…

 

トッキー

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