去る2024年4月26日、世界的ファッションデザイナーの桂由美氏が94歳で亡くなりました。
死去の4日前にも「徹子の部屋」の収録に臨むなどしていたそうで、亡くなられたのは残念ではありますが、94歳まで生涯現役というのは、クリエイターの人生としてとても羨ましく、一つの幸せな形だと思います。
氏の生前、自分はせいぜい「世界的に有名なウエディングドレスのデザイナー」程度のぼんやりした知識しか無かったので(いつも有名人が亡くなるとやるように)Wikipediaで経歴をみたのですが、そこに並んでいた
●日本会議のメンバー
●(関連団体の)「日本女性の会」代表委員
●「皇室の伝統を守る国民の会」代表発起人
●「美しい日本の憲法をつくる国民の会」代表発起人
という記述に、椅子から転げ落ちそうになりました。バリッバリの「そっち」じゃないか!!
「皇室の伝統を守る国民の会」って、小泉内閣の有識者会議で女性・女系容認の動きが出た事に猛反発して作られた、正しくは「ダンケーをゴリ押しする非国民の会」ですからね。女性のためのドレスをデザインし続けてきた人が、そんな会の発起人になるなんて…。
ただ、Wikipediaの記述では「特攻隊員に憧れ、「私たち女性も飛行機に乗れるようにして下さい。特攻隊は男だけではありません。」という血書を書いて海軍省に送ったこともあった」という人だそうなので、職業の印象と個人としての価値観は別だったのかもしれないですね。
しかし、戦後にあらゆる「先例」を覆しながら日本にウエディングドレスを広めた女性が、皇室、それも特に女性皇族に対して(浅いレベルなのに強固な)先例を押し付けるような振る舞いをしていたって、なんとも複雑で虚しい気持ちになります。