先頃、産経新聞が皇位継承問題に関連して
他のメディアでは報じていない内容を、2度にわたって報道した。
自民党の懇談会で、旧宮家系子孫男性が旧秩父宮家など
既に廃絶した宮家を養子縁組によって継承するという、
常軌を逸した案が検討される、と
(3月16日付·24日付、内藤慎二記者ほかの署名記事)。これが事実なら、中身の奇妙キテレツさはともかく、
産経新聞の“スクープ”だ。最初は3月18日の会合で取り上げられるとの記事だった。
しかし、この時は旧宮家プラン自体が議題になっていなかった。次は4月4日の会合。この時は旧宮家プランが議題になった。
果たしてどうだったか。産経(4月5日付)の記事を見ても全く出て来ない。
予想通り、有識者会議報告書のプランに賛意を示したというだけの内容。
先の2度にわたる報道は、残念ながら産経の誤報又は虚報だったか?さすがに、自民党も上記の案をまともに取り上げる程には、
劣化していないということか。
産経の記事も、全くの捏造とは考えにくいから、
誰か関係者のデタラメな話をそのまま信じ込んで、
堂々と記事にしてしまったのか。なお自民·公明両党は政権与党なのに、政府の提案を
即座に追認しないで、改めて検討する会議体をポーズだけでも
それぞれ党内に設置したこと自体、いささか意外だったが、
自民党がもたついているのはどうしたことか
(希望的観測に過ぎないかも知れないが、党内に健全な
異論があって、それにも配慮しているのか)。産経記事の締め括りは以下の通り。
「皇位継承を巡っては立憲民主党や日本維新の会、
公明党などの議論が先行している。
(懇談会事務局長の)木原(誠二)氏は『われわれも遠からず
まとめていきたい』と述べたが、時期は明言しなかった。
首相周辺は安定的な皇位継承に資する法整備に意欲を示しつつ、
『自民の「政治とカネ」の問題が落ち着かないと
なかなか議論できない』と語った」これが事実なら、国民が政治に働きかける時間はまだ残されている。
自民党が今後、党内での意見集約を終えた場合、
衆参両院議長が中心になって全政党·会派の協議の場が設けられ、
そこでの議論に移るーという流れになるはずだ。その協議の場で、国民の後押しによって、
どこまで「正解」に近付けることができるか。
今国会中の決着という線は今のところ変わらないだろう。
勿論、決着が前倒しされる可能性もあって、油断はできない。それまでに、少しでも多くの国民の声を
与野党のキーパーソンに届けることが大切だ。
落胆したり絶望したりするのはまだ早いし、
落胆したり絶望したりする資格があるのは真に戦った者だけだ。
追記
①3月31日のブログで「初めての単独のご公務」と記しているのは
“地方での”が抜けていたので「初めての地方での単独のご公務」に訂正。
疎漏な書き落としをお詫びします。②4月6日、SmartFLASHにてインタビュー記事公開。
https://smart-flash.jp/sociopolitics/280828/【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
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