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高森明勅
2024.3.7 07:29皇統問題

衆院4月解散説、女性天皇·女性宮家へ直接アプローチの機会

4月28日に投開票が予定されている衆院3選挙区での補欠選挙。
岸田文雄首相がこれに合わせて衆院解散·総選挙に
打って出る可能性が語られている。

3選挙区での結果を思わしくない場合、9月の自民党総裁選への
致命的なマイナス要因になりかねない。
そこで駄目駄目バラバラな野党の足元を見て、総選挙をぶつけて
大敗を免れれば、総裁続投に繋げられるという動機が
考えられている。

しかも、党内の権力闘争によって、ポスト岸田の
最有力候補と見られていた茂木敏充·幹事長が凋落し、
キングメーカーを気取っていた麻生太郎·副総裁も、
今や劣勢を余儀なくされている。

最大派閥だった安倍派の威光など、もはや地を払っている。

国民からの支持率がどれだけ下がろうと、党内での指導力は
岸田派解散の電撃表明以降、高まる一方だ。
首相として史上初の政倫審への出席も、グズグズする安倍派幹部を
引き摺り出す為の、党内に向けたパフォーマンスだったが、
今のところ思惑通りの結果になっている。

近頃の動きを見る限り、岸田氏は意外と喧嘩師であり、
党内での指導力をどんどん拡大しているように見える。
そうすると、彼が4月解散を決断すれば、誰も止められない
可能性がある。


もし解散があるとすれば、先頃、岸田氏は4月10日に

ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、翌日には
アメリカ議会での演説が予定されているとの報道があったので、
選挙はそのアメリカ外遊効果が期待できるタイミングを狙うか。
もし選挙があれば、その後に特別国会が召集されることになるが、
皇位継承問題は各党において意見集約も進められており、
さすがにこれ以上、先延ばしは許されないはずだ。

そうすると、選挙がどのような結果になるか。
特に、皇位継承問題に熱意や理解のある政治家が、
しっかり議席を守ることができるかどうかが、重要になる。
又、国民としては皇位継承問題の一応の決着が迫ったタイミングでの、
女性天皇·女性宮家を求めるひょっとすると最後になるかも知れない、
直接アプローチの機会になる。

勿論、政界は一寸先は闇。
なので選挙の確かな時期は予測困難だ。
しかし、いつそのような局面に突入するか分からないという、
心の準備は日頃からしておくべきだろう。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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