サムネイルに使った写真は、リハ中の一コマ。チェブリンのポーズがやけにキマっています!(撮影:DOJOサポーター・どろよいさん)
さて、大盛況で終わったライブをまた一味違った方向から再度楽しんで頂けるよう、サウンド方面の視点から各曲の解説を記します。ぜひ、ニコ生のアーカイブと一緒にお楽しみください!
ス・ト・リ・ツ・パ・ー
これは、ともしらさんのドラムとの絡み合いを一番意識した曲。生ドラムのサウンドとより相乗効果が出るよう、原曲のギター(当時流行し初めていた、よく聴くと意外とクリアな音色)よりもザラついた質感の歪みを加えています。
いわゆる「打ち込み」は、キッチリきれいな音というイメージが強いですが、実はいかに「汚し」たり「ズラし」たりするかが大きなポイント。単調な演奏にならないよう、曲ごとに方向性を強く意識しながら作り込んでいます。
魂を抱いてくれ
今回のライブ中でもストリングス(弦楽器のセクション)が入る曲が複数ありますが、この曲が一番人数多めで、1990年代という他の曲よりも新しめの年代のスタジオ収録を意識した音にしています。
ライブハウスの空間でやると違和感が出るので今回は原曲に近いアレンジでしたが、もっと広い空間であれば、フルオーケストラを意識した壮大なアレンジにしてもすごくハマると思います!
ダニエル・モナムール
原曲は「生演奏」を意識していない、録音ならではのバランスで成立している曲なので、その雰囲気を保ったまま生演奏にマッチするバランスになるよう意識してアレンジしました(弦楽器、管楽器は、他の曲よりあえて「生々しさ」の無いサウンドにしています)
練習の段階ではどうしてもドラムが出すぎてしまう傾向がありましたが、ともしらさんのアイデアでスティックをホッドロッド(竹ひごを束ねたような特殊なスティック)にした所、ちょうど良い柔らかめの音になりました。出来合いのカラオケがポンとあるのとは全く違う、知恵を出し合っての試行錯誤で最終的なパフォーマンスが作られています!
オレンジの雨
原曲の特徴的な部分を残しつつ、ライブハウス&生ドラムでの演奏にマッチするよう、かなりロックっぽいサウンドにしています。
原曲では歌謡曲っぽいコーラスで空間を埋めていた部分を外して、代わりに70年代のロックバンドっぽいオルガンのパートを作り、さらにチェブリンのピアノでアクセントを作るなどした事で、よしりん先生の熱唱とベストマッチするゴリッとしたサウンドになりました!
泣いてみりゃいいじゃん
アンコール1曲目という事で、会場をより盛り上げるよう「引っ張り」たかったので、ともしらさんに「最初の16小節ドラムソロにするので、好きなように叩いて盛り上げてください!」と丸投げしました(笑)
期待をしっかり受け止めてくださった素晴らしい演奏で会場が暖まった所でのイントロの入り、あそこでシビレてくれた人がいたら嬉しいなあ(笑)
六本木心中
前回の配信でもお届けしたこの曲、実はよしりん先生の歌う部分は男性キー(作曲者のNOBODYのバージョン基準)、チェブリンの部分は女性キー(アン・ルイスバージョン基準)と何回も転調しており、上手くハマったと同時に、盛り上がりを牽引する効果も出ました。
こうした工夫や遊びがバチッとはまると、手間暇かけた甲斐があったと感無量になります。
さて、初ライブが終わったばかりですが、既に何ヶ月も先の曲まで動き始めており、音楽的な試みの面でも新しい試みが山ほど控えています。
「歌謡曲を通して日本を語る」これからもご期待ください!