政府の新型コロナ分科会委員でもあった、日本医師会常任理事の釜萢敏氏が、2025年の参院選に自民党比例代表候補として公認申請されるという報道がありました。
一番驚いたのが、自民党の内規では比例候補の「70歳定年制」が設けられているものの、釜萢氏(現在70歳なので、2025年の選挙時には71〜2歳)は「特例」として公認される見込みとの事。
1万歩譲って、実績のある現職が担当中の案件を全うするための特例なら理解もできますが、懇意の組織とのつきあいで簡単に曲げるような内規なら、いっそ無くしちゃえば良いのに。
上記の共同通信による記事では
日医の集票力が低下しているのを踏まえ、新型コロナ対策で知名度を高めた釜萢氏の擁立に傾いたとみられる。
とありますが、コロナ対策の総括が完全におざなりなままで、自民党と医師会がズブズブの関係を維持することで「あの時は的確な対策がとられた」というお墨付きを与えあって、それが「歴史」にされてしまいます。
ところで、キックバック問題の大騒ぎで有耶無耶になっていますが、たった2ヶ月前の2023年11月22日には、日本医師会から岸田首相に1400万円、そして武見厚生労働大臣には1100万円の献金があった事が、国会で追求されています。
首相と、医療を監督する省庁のボスが、医師会から高額献金を授受…たとえ合法なものであっても、おいそれと納得できるものではないでしょう。
(※ちなみに、武見厚労相の父は元日本医師会会長の武見太郎氏。また麻生太郎氏とも親戚関係(又従兄弟)にあります)
日本医師会には「日本医師連盟」という政治団体がありますが、独自に選挙活動を行うわけではなく、自民党内に用意された「指定席」に任意の人物を「あてがう」形となっています。
現職の羽生田たかし氏は今季で引退予定のため、釜萢氏はその「後釜」として(駄洒落じゃないよ(笑))「あてがわれる」ようです。首相と厚労大臣に高額献金している団体からの推薦のままに。
参院の「日本医師連盟指定席」は(それぞれ3年の改選期ごとの位置として)2つあり、現在は先出の羽生田たかし氏に加え、前回の参院選で2回目の当選となった自見はなこ氏がそのポストに就いています。
実はこの2人、属性がまったく一緒でして
●過去の当選は比例のみ
●(当然)医師会からのあてがい
●二世議員(親も医師系の国会議員)
うーん…もちろん医師も国民ではあるにせよ、これらの議員が「国民の代表」とされる事に納得できますか?
公の私物化になっていませんか?
保守であると自認すればこそ、この公を毀損する構造に怒るのが道理ではないでしょうか。
やはり比例代表は利権の道具としか言えないような濫用がなされています。